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Prologue
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この世には第二の性が存在する。数十年前、人類の進化について研究していたどこかの大学の教授が「第二の性」を発見し、それを公表した。
あらゆる事に優れ、エリートと呼ばれる希少種「アルファ(α)」。
一般的な性であり、今までとあまり変わらない「ベータ(β)」。
そして、三か月に一度発情期を迎える、アルファよりも数少ない劣等種。
それが「オメガ(Ω)」だ。
オメガが発情期になれば、フェロモンを発してフリーのアルファを誘惑する。そしてアルファとオメガは身体を重ね、項を噛むことで番となる。
オメガは男女関係なく子を為し、アルファは男女関係なく子を産ませる事が出来る。この二人から生まれる子は大抵アルファかオメガだった。
アルファの子供を何としても増やしたい政府はこの第二の性の検査を義務化した。
優秀なエリートが揃えば、国は豊かになるだろう。その為には優秀な指導者が必要なのだ。
第二の性検査は16になった子供達に行われた。大体それくらいからオメガのヒート(発情期)が始まるからだ。
ベータには何もないが、オメガとアルファにはさらに検査項目が増やされる。
それは、「運命の相手」を探すためのものだ。
オメガとアルファには「運命の相手」というものが存在する。それは魂の奥底、本能的なもので結びつく。まさに「運命」だという。
とはいうが、それはただの噂で「運命」は遺伝子の中で決まっているそうだ。
その遺伝子検査で、政府は「アルファ」に相応しい「オメガ」を探す。
「運命」には抗えない。それが、どんなに嫌な相手でも。
だから、子供達は心臓の激しく動く音を聞きながらその検査結果を待つ。
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