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【45】
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学校から俺の家に着くまではお互い一言も喋らなかった。
「……お邪魔します」
「……ん。誰もいないし俺の部屋で適当にくつろいでて。今ジュース持っていくから」
部屋の場所を伝え、木月が向かったのを確認し、俺は冷蔵庫からジュースを出しながらため息をついた。
(……ちょっと強引だったか)
いくら不満があったとはいえ無理矢理な連れてきかただったと思う。
それにあんなトゲトゲした言い方じゃなく、もっと何か良い誘い方だってあったはずだと今さらながら反省した。
怒ってたらどうしようと不安を感じながらジュースを注いだコップを持っていくと俺の予想に反して、ローテーブルの前に座っていた木月は普通にありがとうと言いながらコップを受け取ってくれた。
ほっとしながら俺も隣に座る。
「…………。」
「…………。」
しばらく無言でジュースを飲んでいたがこのまま黙ってても何も解決しないと思い、俺は「…………それで、話なんだけど」と本題を切り出した。
「俺の勘違いだったら良いんだけど、木月最近よそよそしいっていうか……俺のこと避けてない?」
正直、俺は心の何処かでそんなことないよと言ってくれるのを期待していた。
でも木月は俺の言葉にビクッと肩を震わせて「…………いや、それは……その…」と言葉を詰まらせた。
「俺んち来るのも気が向かないみたいだったし。…………俺といるの、嫌?」
若干泣きそうになりながら聞くと「え、まさか。そんなわけないだろ」と今度は驚いたように言われた。
「……?じゃあ何で俺のこと避けんの」
俺の問いに木月は少し考えてから「……何言っても引かないか?」と逆に聞いてきた。
よくわからないままとりあえず頷く。
「………俺さ、一ノ瀬といるとどうしても手を出したくなるんだよ。もちろん無理にどうこうしたいっていうのはないけど、一緒に帰ってるだけでも手繋ぎたくなるし……」
木月はよほど恥ずかしいのか話しながら声がどんどん小さくなっていった。
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