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【55】
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「響、バイト上手くやってるか?」
「…………働くことの大変さがよくわかった。働いてる人はみんなすごいな」
兄貴とふたりの夕食時。
バイトのことをそう話すと「まあ楽な仕事なんてないしな」と兄貴は笑った。
「無理はすんなよ。……それより木月くんにあげるプレゼント決まったのか?1番重要だろ、そこ」
「…………まだ。ケーキはあげようかなと思ってるけど…メインが決まってないっていうか」
「木月くんって何が好きなの?」
「…………ホラー……とか?」
「じゃあ一緒にホラー映画見るとかは?誕生日当日に一緒に見れなくてもチケットだけプレゼントとして渡すって手もあるし」
「…………すごい良い提案だけどそれ俺の心臓がもたない」
そっかお前ホラー駄目だもんな、と兄貴は苦笑した。
(……でも映画のチケットとかそういうふたりで楽しめるものでもいいかも)
兄貴の話を聞いて、形のあるモノだけじゃなく色々なプレゼントを考えてみようと思った。
***
「響さんはこのバイト夏休みだけの短期なんですよね!なんでこの時期にバイトを?」
30分の休憩時間中、休憩時間が丸々被った神崎になんでなんでとしつこく聞かれ簡単に理由を話した。
「えっ!プレゼントっスか!?その為にバイトなんて響さんオトコっスね!!」
俺の話を聞いて神崎が目を輝かせる。
神崎は人と距離をつめるのが上手くバイトに入って3日目にしてほとんどのスタッフと仲良くなってしまった。
俺も初日に「俺のことは呼び捨てでも何でも好きなように呼んでください!あ、一ノ瀬さんじゃなく響さんって呼んでもいいっスか?」とグイグイこられたが不思議と不快感を感じなかった。
「良いなー俺もこのバイト代で彼女になんかプレゼントしようかなー」
「……お前も付き合ってる人がいるんだな」
「はい、中学の時からなんでもう付き合って2年になるんスけどそういや今までプレゼントらしいプレゼントってそんなあげれたことないなーと思って」
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