アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【59】
-
『ご覧ください!ここ◯◯水族館ではーーー』
「水族館かー」
意外と興味深そうに番組を見る木月に好きなのかと尋ねる。
「ああ、中学の時修学旅行で行ったんだ、水族館。楽しかった」
「修学旅行で行けるなんて凄いな……俺ら普通に京都奈良だった」
羨ましく思いながらも“水族館”チケットをプレゼント候補にいれた。
『続いて紹介するのは〇〇県の△△博物館!』
番組が水族館から博物館の紹介に切り替わると木月はまた「良いなー博物館って行ったことないんだよな。映画に出てくるような恐竜の化石って見てみたい」と言って目を輝かせた。
(“博物館”も候補だな……)
それから『温泉』『滝』『タワー』『イルミネーション』『寺』……全国の色々なものが紹介されたが、どれを見ても木月は面白そうだとか楽しそうと言って興味津々だった。
(なんかいつも落ち着いてるからか子供っぽい木月って妙に可愛…………じゃなくて、プレゼント決めないと)
一瞬違うほうに頭がいきそうだったが何とか現実に引き戻す。
【水族館】【博物館】【温泉】【寺】【滝】【タワー】【イルミネーション】……俺自身もよく知らないのがいくつかあるし、あまりに遠すぎたり今後の気温の変化を考えたら無理そうなものもある。
それにそもそもどこが木月の中では1番なんだろうと考え「なあ…木月、この中でさ、」と尋ねようとすると、テレビに夢中で俺の言葉なんて耳に入ってなさそうな木月が「あ、なあ一ノ瀬これ見て」と言ってテレビを指差した。
どうした、とテレビを見ると今度は有名なテーマパークが紹介されていた。
「一ノ瀬ここ行ったことある?」
「あー……小さい頃家族で1回行った気がする。もうほとんど覚えてないけど……。木月行ったことないのか?」
「ああ、昔からずっと行ってみたいって思ってるんだけど中々機会がなくて。今紹介されてたんだけど、ここ秋から新しいホラーアトラクションが出来るらしいんだ。すげー面白そう」
良いなーと興奮気味に話す木月を見て俺は今までのプレゼント候補を全消しにした。
そして(プレゼントにするならこれしかない…!)と強く心に決めた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
66 / 97