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【64】
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「はい、今見ていただいているのが京都で1番古い仏像のーーー」
修学旅行1日目。
3日間の中で今日は仏像見学をする日になっている。
「教科書で見たことある物を実際見れるなんて凄いねえ」
「ねー!テンション上がる」
初めて見る仏像を前にわあっと騒ぐクラスメイトも入れば
「……響、俺らアレ中学の時も見たよな」
「……中学の時も行き先京都だったからな」
俺やタクヤのように既に見たことがありテンションがイマイチ上がらない奴もいた。
「……では、案内は以上になります。何か質問などはございますか?」
「はい!質問よろしいでしょうか!」
そんな中誰よりも真剣に解説を聞き、質問に唯一手を挙げたのはいつもは控えめな藍川さんだった。
「先程解説して頂いたところなんですがーーー」
一度質問の機会をもらうと、藍川さんはチャンスとばかりに仏像について様々なことを聞いた。
「藍川さん、あんなペラペラ喋る人だっけ……?」
「なんか仏像とかお寺とか凄い好きみたいよ」
「俺なんてこの間、藍川さんが図書室で仏像の本5冊くらい借りてるの見たぜ……」
「……真面目すぎる藍川さんも良い……」
クラスメイトの意外な一面にみんな驚きを隠せず(最後の発言はタクヤだが)、最終的には藍川さんのマニアック過ぎる質問に解説してくれる人まで困ってしまい先生が半強制的に質問タイムを終わらせた。
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