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【80】
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「一ノ瀬、リビングに単語帳置きっぱなしだった」
玄関で靴を履いていた俺に木月がそう言って単語帳を渡してくれた。
「え?……あ、本当だ。サンキュー」
冬休みが始まり、俺は毎日木月と一緒に宿題をする為にカフェや図書館などどこかしらで会っていた。
(まあ俺としては会えれば何でもいいんだけど。……にしても今日は久々に木月の家に来て周りの目もないしちょっと期待してたのに……そういう雰囲気にもならなかったな……)
若干残念に思いながら単語帳を鞄にしまう。
「帰る前に気づいて良かった。……ところで明日は7時前に駅に集合で良いんだよな?」
明日はいよいよ木月とクリスマスデートをする。
「ん、、新幹線が7時10分発だからちょっと余裕持って7時前に駅にいよう。……あ、朝寒いだろうから暖かい格好してかなきゃな」
「そうだな………俺、明日がすげー楽しみだよ」
「あのホラーなアトラクションが?木月、本当にホラー好きだよな」
「それも楽しみだけど─── 一ノ瀬と2人で出掛けられること自体が楽しみなんだ」
「………………!」
恥ずかしいこと言うなよ、と照れ隠しに素っ気ない態度をとったが木月は気にする様子もなくふっと笑って、そのまま優しく口付けてきた。
「んっ………………な、なに急に……」
「一ノ瀬って思ってること結構顔に出るよな。さっきまで『このまま何もしないで帰るのか…』みたいなしゅんとした顔してたのに、ちょっとしたことですぐ赤くなって」
「わ、悪かったな!単純で!」
「いや、可愛いなと思って。お前のそういうところすごい好きだよ」
そう言って木月はさっきと同じように短いキスを今度は何度も続けてしてきた。
「………んぅ……ぁっ……木月…もっと深いのして………」
もどかしくなって自分から強請ると木月は「………それはまた明日」と笑って唇を離しそれ以上はしてくれなかった。
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