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【82】
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クリスマスデート当日。
待ち合わせ時間の10分前、駅に走って行くともう木月は来ていた。
「おはよう」
「…………はよ。悪い、待たせちゃって」
「全然。じゃあ行くか」
木月はそう言うとすっと俺の手を握って自分のコートのポケットに入れた。
「………………!?」
突然のことに目を丸くしている俺に「……せっかくのデートだから」と木月は少し照れたような笑みを浮かべた。
嫌?と聞かれ必死に首を横に振り俺も手をぎゅっと握り返した。
***
「予想はしてたけど激混みだなー……」
「まあ今日クリスマスってのもあるしな……」
テーマパークに無事到着し、2人でマップを見ながらどこからまわるか話し合った。
「あのジェットコースターは?」
「面白そう……だけどすげー並んでるぞ」
「じゃあもう少し後にするか……この有名映画を再現したアトラクションも面白そうだけど」
「でもこれここからすげー離れてね?」
「あ、本当だ……うーんじゃあここから1番近いのって……」
「………木月が楽しみにしてたホラーなやつじゃね…?」
あれか、と2人でそのアトラクションがある建物のほうへ向かうとそこまで混んではいなかった。……そして何より俺の予想より怖くなさそうだった。
(もっと“心臓の弱い人はお断り”みたいな注意書きがあるようなガチなやつ想像してたけどこれなら大丈夫そう…)
内心ほっとしながら、これから行くかと木月に声をかけた。
「えっ……俺は良いけど一ノ瀬大丈夫か?お前ホラー苦手だしてっきりこのアトラクションは行かないものだと思ってた」
「これそんなに怖くなさそうだし大丈夫だろ」
平気平気、と言い心配そうな顔をする木月の腕を掴んで列に並んだ。
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