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17 sideラウト
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ラウトは敵を切りながらシュカに向かって叫ぶ
ラ「おいシュカ!どうかしたのか!」
シュ「何かにぶつかったっぽい!岩かも!」
岩?此処の水深は何千メートルもある所だ。岩に当たるわけねぇ
だとしたら何だ?
レ「ラウト!海!」
レイ?…海に何かあんのか?
ラウトは目の前の敵を切り捨てると船の端に走った
ラ「おいおいマジかよ」
そこで目にした光景にラウトは思わずそう言ってしまった。サメの背ビレが至る所にあったのだ
レ「海に落ちた死体に群がって来たんだと思う!
しかも、見た限りだけど5m越えが殆どだよ」
レイリスは剣で攻撃を避けながらラウトの元に辿り着くと、隙が出来ているラウトを背で庇うように立った
ラウトはチッと舌打ちをする
ラ「レイ、さっさと潰してアピスに向かうぞ」
レ「俺もそれに賛成だね」
それにしても雨で視界が悪いな…
人数で押されてる分、さっさとカタをつけなきゃなんねぇのに…早くシュカを動かせるようにしねぇと、コッチが不利だ
ラウトがそう考えているとシュカがラウトを呼んだ
そして、15の冒頭に至る
考えろ俺っ!皆の目を一気に引く方法…一瞬でもいい、何かないのか?
♫♪~♩♪♬~~♪♫~
ラウトが必死に思考を巡らせていると、何処からか雨音にも負けない透き通った歌声が響き渡った
ラ「っ!?この声っ!」
レ「知ってるの?」
知ってるも何もこの声はアイツの声だ
敵船員「おい見ろ!」
ラ「アイツっ!」
敵が指差す方を見ると、そこにはラウトを見ながら歌う人魚の姿があった
その表情はとても柔らかく、昨日ラウトを助けた時の表情とは大きな差があった
レ「まさか本当にいるなんて…」
その美声は雨の音にかき消されることなく辺りに響き渡り続けた。戦っている真っ只中にも関わらず、誰もが動きを止め、人魚を見つめていた
ラ「何で…」
何でアイツが此処に…
その時、人魚がチラリと視線を何処かに動かしてまたラウトを見た
……ん?…何か伝えてるのか……?
人魚はもう1度ラウトから視線を外し、何処か遠くを見ながら歌い続けた
そっちに何かあるのか?
ラウトは後ろを振り返る
そこには動きを止め、人魚に目を奪われる仲間と敵しかいなかった
ボケっと突っ立ってるやつ以外何もいねぇじゃねぇか…
……突っ立ってる?…っ!
ラウトはもう1度振り返り人魚を見た
そこには、また笑顔でラウトを見る人魚がいた
ラウトはニヤリと笑う
そういうことか。お前の意図、分かったぞ
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