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怒り4
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side達也
兄ちゃんの事を詳しく説明すると、昔いじめられてた。
今の、絢音みたいに…
昔の兄ちゃんは、体も小さくて、弱くて、体にちょっとした痣があった。
その事から、みんなに『バケモノ』と呼ばれていた。
その事を気味悪がって近所の人は、ともかく親まで見捨てやがった。
自分の息子を大切にしないやな奴らだった。
しかもあいつらは、俺たちに虐待までしてきた、そして標的になるのは、体の小さい兄ちゃんだった。
虐待してた事が周りにばれてあいつらは、俺らを捨てた。
挙げ句の果てには、親戚たちにはたらい回しにされた。2人だけになった俺達は、まだ小さかったから、バイトも何も出来なかった。
でも一つだけあった…
とても嫌なバイトが…
それが、『売春』
だった。
俺は、兄ちゃんを必死に止めた。
でも、『僕が兄ちゃんだから!お前を守らなきゃ!』そう言ってる兄ちゃんがかっこよくて…切なくて…悲しかった…
兄ちゃんの痣を見て「美しい」と言って
金を出す、変態の金持ちが大金を払って好き勝手に遊ぶ。
いつもヘトヘトになって帰ってくる兄ちゃんを見て俺は、何も言えなかったし出来なかった。
そして、辛いのに必死に笑顔を見せて「ただいま」と言うんだ。
こんなに大変な思いをさせてるのは、俺のせいだといつも言い聞かせてきた。
中学校に上がった兄ちゃんは、
ある時『売春』をしている事がバレた。
それからだった、兄ちゃんがいじめられたのは。
「バケモノちゃん、あーそぼ」と言って遊ぶ学校のヤツら、そして学校の先生達。
だから、俺はいつも兄ちゃんの抜け殻だけを見てきた。
それを、兄ちゃんは、高校まで必死に耐えてきた。大学に上がってからは、体が大きくなり、強くなった。
いや…努力したんだ。
大学に上がった頃俺は、中学生だった。
歳を誤魔化して、いつも裏方でバイトしてた
いくつもいくつもかけ持ちして、兄ちゃんの負担を無くそうとした。
そして、いつも泣いていた
「兄ちゃん…ごめん…兄ちゃん…ごめん…」
って、それに気づいた兄ちゃんは、
バイトを辞めた。
それで、今に至る。
だからどうしても兄ちゃんには、逆らえない。俺のせいであんなに辛い思いをさせた事を後悔してる。『もっと強かったら…』
と何回思ったことか…
この恩は、一生忘れない。
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