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初恋(八年前
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八年前の俺がまだ小学四年生の時。
いつものように、俺は学校から帰ると、学校のテスト結果を両親に見せていた。
満点を取れば、両親はものすごく喜ぶ。それが嬉しくて、俺は毎日ずっと勉強をしていた。
笑顔で褒められて、頭を撫でられる事が一番の幸せだとその時は信じて疑わなかった。
対して、弟は身体を小さく震わせながら、両親にテスト結果を見せる。
弟のテスト結果を見るなり、両親の顔は曇っていくばかりか、まだ低学年の弟を容赦なくキツく叱っていた。
チラリと見えたテスト用紙には、22点の数字。
当時の俺には、弟がどうしてこんなにも勉強が出来ないのか理解出来なかった。
勉強が全くできない弟の事を、蔑んだ目で見ていたのを覚えている。
それと同時に、こんなに勉強が出来ない弟がいる事がその時は恥ずかしくてたまらなかった。
恥ずかしくて、恥ずかしくて、小学生の時から俺は弟にキツく当たっていた。
『お前が弟で恥ずかしい』
『近くを歩くな』
なんて、子供ながらに最低な事をよく口走っていた。
それを聞いて、弟はいつも小さな声で、泣きそうになりながら何度も俺に謝ってきた。
悪いのは俺なのに。
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