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家に帰ると、運良く両親はまだ帰ってきてなかった。
まだ不思議がっている弟に、膝を洗ってから、リビングのソファーに座るように指示する。
その間に俺は救急箱を棚から取り出し、俺の言うとおりに膝を洗ってからソファーに座っている弟のそばに近寄った。
ティッシュを持ってきて、救急箱の中から消毒液と絆創膏を取る。
ティッシュに消毒液を染み込ませ、弟の傷ついた膝にそれを当てた。
弟はその痛みに、逃げようとした。だけど、それを俺が注意すると、素直に座りなおす。
痛がる弟を冷めた目で見ながら、俺は手際よく小学生にしてはまあまあな処置をした。
処置が終わり、救急箱を棚に戻してリビングに戻ると弟はまだソファーに座ったまま。
膝に貼られた絆創膏を見て、ずっとニコニコしていた。
部屋に戻らないのかと聞けば、弟はニコニコしたまま俺に近づく。
「兄ちゃん、ありがとう。やっぱり、兄ちゃんは優しいね」
弟に無邪気な笑顔でそう言われ、何故か心臓の鼓動が運動をしていた訳じゃないのに早くなった。
初めての感覚に俺は戸惑う。頬が熱くて、全身がふわふわとした。
ドクンドクン、と血が全身を全力で巡るような感覚。
弟は黙ったままの俺の手を、グイグイと下に引っ張った。
それにハッとして、俺は弟に握られた手を荒々しく振り払った。
「俺に、…気安く触るな」
俺はそう言い残すと、心臓の鼓動と手が持ち始めた異常な熱に混乱しながら、弟を置いて自分の部屋に戻った。
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