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俺が、自分のこの気持ちに気づいたのは、その次の日だった。
友達にしつこく遊びに誘われ、仕方なくその日は友達について行った。
俺と、そのしつこい奴と、その他二人。
放課後、そのしつこい奴は『良いもの見せてやる』と言って、学校近くの公園にある大きな林へと俺たちを連れていく。
どんな遊びをするんだろうか、と思っていた時、ソイツは『ここだ』と言って俺達に笑いかけた。
木の後ろから、ソイツは所謂『エロ本』というものを出してきた。
小学四年生にしては、それは早いかもしれないけれど、俺達はそれを初めて見た。
俺以外の奴は、それを嬉しそうに見ていた。だけど、何故か俺はそれを良いものだとは思わなかったし、むしろ汚いようなものにしか見えなかった。
しつこい奴に無理矢理それを見せられ、『お前はどの女がタイプだ』と聞かれた。
俺は仕方なく数冊あったその本を軽く見回した。
汚い女を見る度、頭の中に弟が出てくる。
弟の方がいい、綺麗だ。弟なら、もっと……。
俺の異常な思考に、俺は自分に驚いた。
無意識に考えていた事が、弟。頭の中にいるのは弟。
『で、決まったか?』としつこい奴は俺にそう聞きながら、ニヤニヤとしている。
俺は素っ気なく『いない』と答えた。
『つまんねぇの。俺はこの女かな』って、いらない情報を俺に教えてきたソイツの事を、俺は素直に殴りたかった。
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