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吾輩は早瀬である(R’s、番外) 10
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「バンドに興味のある方は是非!!二年鈴木まで!!なんでもうれしいけどキーボードかボーカルか…あとなんかかっこいい楽器弾ける人だとうれしいな!!」
「かっこいい楽器ってなんだよ…」
「え?うーん…あ!!バイオリンとか!!いるじゃんそういうバンドほら…!!」
「………」
結局その先輩たちは次の日もその次の日も玄関先でバンドのメンバー勧誘をしては生活指導の先生かバンドメンバーの女の子?に追われて逃げていくのを繰り返していた
「あー、龍ちゃん先輩やっほー」
「メンバー見つかったー?」
なんとなくその先輩たちを見てたら隣を通り過ぎて行ったのは先輩たちを始め見た日も俺の隣をすり抜けていった女の子二人だった
いつの間にか知り合いになってたらしい
「まだー、ゆみちゃんとくみちゃんはいんない?」
「えー?あたし楽器弾けないもんー」
「あたしもー」
「その辺はほら!!俺が手取り足取り?」
「えーセクハラー」
「やだー」
「なんで!!」
「アハハ!!」
しかも仲がいい…
でもその後も数日間観察しててわかったことはあのギターの先輩は結構誰にでもあんな感じらしい…
3年の先輩に茶化されているのも見たことがある
「………」
「ね、茜ちゃんこれ持っててたたいてくれるだけでいい!!同じリズムでたたいてくれるだけでいいから!!」
「えー、やだーつかれるー」
「たのむよ~今日啓いないんだって~」
「茜橋より重いものもてないもーん」
「え、うそ」
「ア?」
「………」
そんなやり取りをその日もたまたまなんとなく眺めていた、というか眺めてしまってた
なんか日課じゃないけど…癖になっちゃって…
今日はあのドラムの先輩はいないらしい、また女の子の逆鱗に触れかけて先輩が視線を泳がせていた
その時…
「あ!!」
「!?」
またギターの先輩と目が合った
ギターの先輩がベースの先輩を生贄にしてこっちに向かってくる
「ねえ君この間も…ていうか毎日見てるよね?」
「…え…」
「もしかして楽器弾けたりする?興味ある感じ?あ、てか何組の子?俺はね、二年の鈴木、鈴木龍之介」
そういえば毎日足を止めてみてたかと俺は当時この時初めて気づいた
先輩はなれなれしく次々に質問してくる、そしてこの先輩は鈴木っていうらしい
「……楽器は…まぁ、弾けます…けど…」
「え!?まじで?え、じゃあほんとに加入希望系の人?いやーうれしい!!」
「いや、それはちがいます」
「えぇ!?」
先輩はオーバーに驚いて見せる
その時遠くから「鈴木~!!」と先輩の名前を呼ぶ生活指導の先生の声が聞こえてきた
「やっべ、今日も来た、おい鈴木!!逃げるぞ!!」
「え、でも新メンバー君が…」
「新メンバーじゃないです」
「えぇ!?こんなに言ってるのに?」
「そんなに言ってないです」
また先輩がオーバーに驚いて見せた
そしてちょうどそのタイミングで生活指導の先生が生徒用玄関から出てこようとしてるとこだった
「うわっ、まじでやべえ、俺逃げるわ!!えっと…」
「………早瀬…ですけど…」
「早瀬!!俺はお前新メンバーにしたいけどなぁ~」
「なりませんし、逃げないと先輩ほんとに怒られますよ」
「わっ!!ほんとだ!!じゃあな早瀬!!」
そう言い残して先輩はさっさと走って行ってしまった
名前…教えない方がよかったかな…
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