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先生と彼と僕と
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「下校時間過ぎてるぞー早く帰れよー」
「紫乃先生さよーならー」
「はい、さよーならー」
時刻は夕方16時を過ぎた頃。
まだ校内に残っている生徒はちらほらと。
最後まで元気に走って帰る者から、気怠そうに肩を落として帰る者、恋人同士手を繋いで幸せそうに帰る者、色んな表情を横目に二階の教室の扉に手を掛ける
ガラ…
「あ、先生…」
日が傾く夕暮れ時に窓際の席に姿勢良く座る生徒が一人
オレンジ色の夕陽が生徒を照らし、いつもと違う、感じた事の無い色気を少し。
「何してんの、もう帰る時間でしょ」
「…はい、もう帰ります」
ガタ…と椅子を後ろへ引き曇った表情で立ち上がる彼が少し気になった
「誰か待ってたの?」
「…いえ、別に……失礼します」
「あー…うん、さよーならー」
生徒は頭を下げてその表情のまま紫乃の横を通り過ぎて行く
誰も居なくなった教室に何となく取り残された気がして自分も早く帰る支度をしようと向きを変えた
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