アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
叔父と甥
-
海が見える丘の上に立つ古い団地。潮風を浴びていたる所が傷んでいるが、屋根が派手な色をしていて他の家より一際目立つその家の前に僕は佇む。
夏の強い光にキラキラと反射して輝く水平線があまりにも眩しくて僕は目を細めた。
年に一度、みんなが休みを取れるお盆に、祖父母の家に親戚全員が集まる。日本各地の色々なところに住む親戚たちは地元の食べ物やお菓子、土産話を持ち寄ってこの家は賑わう。
「あらやだ、あなたまた大きくなったのねえ」
「ほんと、久しぶりじゃない」
早く涼しいところで世間話を嗜みたい婦人方は荷物運びを男性陣に任せてさっさと家の中に入ってしまった。
汗をかきながら大きな荷物を車から運び出す男たちを横目で見て、僕はまだその場に佇む。湿気を含んだ風がじんわりと額を濡らしていく。
「やあ、久しぶり」
突然、後ろから声をかけられた。後ろを振り向き、声の主を確認すると僕の頬は自然と緩んだ。
「おじさん」
僕の声を聞いて、おじさんは妙に艶やかに微笑んだ。眼鏡の奥の瞳が細くなる。
僕はおじさんの側へ近寄ってくいくいと彼のシャツの袖を引っ張る。すると彼は僕の背丈に合わせてしゃがんでくれた。
「夜、おじさんの部屋に行くね」
彼は何も言わずにニッコリと笑みを返した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 14