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大嫌いだ12
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「おかーさん、お外に誰かいたよ?」
妹が苺のジュースを嬉しそうに持って帰ってきた
いつもならここで可愛いなぁと思うところだが、今の僕にはそんなこと考える余裕などなかった。
「どんな人だった?」
「なんかねー大人の女の人と男の子がお花持ってた」
きっと葵羽のお母さんと二人でわざわざお見舞いに来てくたんだと思う
今の自分の頭の中は手術の怖さでいっぱいで何も入っては来なかったけど
お母さんは妹を残し外に出て行って代わりに葵羽が入ってきた
「あの…皐月君…ごめんね」
葵羽は下を向いていて、泣いていた
「気にしないで、僕の不注意だから。」
あれはちゃんと前を見てなかった僕が悪
いんだと、そういうことにしたかった
めんどくさいし、何より今は一人になりたかったから
(僕が悪いんだ、もうそれでいい、一人にしてほしい。)
「………ごめんね…」
僕の右側にずっと下を向いていて泣きながら謝り続ける葵羽
何が何だか理解出来ず、困り顔の妹
(一番泣きたいのは僕で理解出来てないのも僕なのに……)
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