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半分見えない世界8
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「……んっ…ん…ふゎぁぁ…ん?」
珍しく人の会話が聞こえて目を覚ます
「おはよ、皐月君」
『……。』
「おはよ……あれ…僕寝ちゃって……ん?」
体を起こしてその場に座ると、どこかで見たことはあるが、よく覚えてない女の人が椅子に座っていて、こっちを見ていた
『同じクラスの者。葵羽に連れてこられたの。』
口調は少しキツくて、表情は少し怒っているように見えた
「理由あって連れてきたんだ、迷惑じゃないだろ?」
「迷惑じゃないよ…うん……」
話したこともない人がお見舞いに来て少し驚いてしまい、どこか気まずい
「…………。」
少し沈黙が続いた後
『叶夢君』
聞き慣れない声が僕の名前を呼ぶ
「は、はい。」
『謝りたいことがあったの』
するとその女の人は僕のほうに近づいてきて
『叶夢君の事別に嫌いじゃないの、ただ周りがみんな叶夢君のこと悪く言ったり、いじめたりしてて…その…』
『私までいじめられたくなくて、そんな勝手な理由で今まで辛い思いをさせてごめんなさい。』
突然何を言うのかと思えば、急にいじめていた事を謝ってきた
別にこの人が僕にどんないじめをしてきたのかも分からないから謝られる必要はなかったんだけど
「え、あっ、あの…気にしないで…下さい。」
『……。』
「お見舞いに来てくれただけで、僕嬉しいですから」
こんな時なんて言うのが正解なんだろう、きっとあの人はこんな返事を待ってたんじゃないような気がした
『……そっか。』
(この人も優しい人なのかな、わざわざ僕なんかに謝って…。)
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