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あれはお兄ちゃんのお誕生日。
旅行に行ったの。本当は僕お留守番だったんだけどお兄ちゃんが僕も連れて行ってくれたの。
帰り道、お父さんが運転してた車にトラックがぶつかってきたんだ。
運転してたお父さんと僕をかばったお兄ちゃんが死んじゃった。
お母さんは僕に何度も言ったんだ。
「お前さえいなければ和樹は生きていたのに・・・。
なんで和樹はこんなやつを・・・。
お前は疫病神だ!!お前なんて死んでもどうでもよかったのに。
お前がパパと和樹を殺したのよ!!!!
お前なんて産むんじゃなかった。
あぁ和樹・・・なんで死んじゃったの?なんでこんなやつかばったのよ・・・。
お前なんて家族じゃない。死んじまえ!!
お前が死んだって誰も何も思わないんだよ!!
お前の生きてる価値、存在価値なんてかけらもないんだよ!!!!!」
何度もお母さんに謝ったけど僕のせいでお兄ちゃんが死んじゃったの。
全部僕のせいなの。僕なんていなくなっちゃえばいいのに。
でも僕どうやって死ねばいいかわかんないの。
その日から何もなくてもお母さんが僕のこと殴るようになった。
頭を何度も床に叩きつけられて気を失っちゃったこともあった。
殴られすぎてもう顔の感覚がなくなっちゃったこともあったよ。
買い物行くとみんな僕の顔を見てこそこそ何か話してるんだ。
首絞められて本当にこのまま死んじゃうのかなって思ったけどそのあとに殴られて結局死ねなかったこともあったんだ。
もうね、何回殴られたかわかんない。
だから僕の体ボロボロなの。
痣が消えないの。傷口が治らないの。
こんな体見せられない・・・。
きっと気持ち悪いって思うよ。雪那さんでも。
だって僕だって気持ち悪いって思うもん。
でも・・・・いいの。
僕はやくびょうがみだから。
僕は生まれてきちゃいけない子だったから。
きっと今いなくなっても誰も何も思わないよ。
お母さんはきっと喜んでくれると思う。
雪那さんも僕がいなくなればきっと楽になるよね?
きっと・・・ううん絶対雪那さんに迷惑かけてる。
僕・・・もうこれ以上誰にも迷惑かけたくないんだ。
もう僕のせいで誰かを死なせたくないんだ。
僕のそばにいたからお兄ちゃんもお父さんも死んじゃった。
お母さんを苦しめた。
きっと僕のそばにいたら雪那さんも苦しめちゃう。
ならもう・・・いっそのこと・・・・。
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