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告白ってヤツですね④
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何だか頭をフル回転させていたら思っても見なかった事が口から出てきて自分でもびっくりした。
俺って茅に対してこんなこと思ってたか…?
今の発言も違ったか?と思い茅を見ると一瞬びっくりした顔をした後、少し口元を緩めてこう言った。
「…作らないよ。だって俺が好きなのは柚だから」
…聞き間違いだろうか。
なんだか今、日本語じゃない言葉が聞こえたような気がしたぞ。
俺の耳って腐ってるな。
なんてふふっと笑い、茅に「もう一度言ってくれ」と頼み今度こそは耳の穴かっぽじって聞こうと耳をすませた。
「だから、俺は柚が好きだから告白されても彼女は作らないよ」
と、これまた涼しい顔で言いやがった。
…………は?!?!
今、なんて言ったんだ?!?!
聞き間違えじゃなかったのか?!?!
何言ってんだコイツ…!
お、俺の事を、す、す、、好きだって…!!!
そこで俺はハッとした。
…コイツもしや今年のエイプリルフールの事を根に持ってやがるな。
そう今年のエイプリルフールに俺は茅の事を好きだと言ってほっぺにちゅーをした事を思い出した。
茅、仕返ししようとしてるな。
「あははははは」
気付いてしまった俺は乾いた笑いが止まらない。
対して茅は眉間にしわを寄せて「何笑ってんだよ」と少し怒り気味の様子だ。
無理もない、俺は先に気付いちゃったから。
笑いすぎて涙目になった俺は茅の肩に手をポンと置いて顔を近づける。
「おい、真面目な顔して冗談言ってんなよ。本気にしちゃったじゃんか………んっ───!?」
───その瞬間、頭が真っ白になった。
気付いたら茅の顔が目の前にあって、頬には茅のあのでかい手で覆われてて。
あの、無駄に長い睫毛が目の前に………
ドンッ!
気付いたら茅の胸板を思いっきり押してて、唇を手の甲で押さえて今の状況を確認する。
い、今、茅とキ………
唇に暖かい感触が残っており見る見るうちに顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。
コイツ、何考えて……!
押し倒しただけじゃ物足りなくて、ぶん殴ってやろうかと茅を見ると力強く俺を見ていてドキッとした。
掴みかかろうとした手が途中で余る。
そんな茅の真剣な顔を見るのは初めてで俺はなんだかその場から動けないでいた。
「……冗談じゃない。本当に、本気で、柚が好きなんだ」
「俺は謝らない。……さっきのは柚が悪いよ」
そう茅は言い残して、嵐のように俺の横を通り過ぎて行った。
俺は腰が抜けてその場に座り込んでしまい、茅を追いかける事ができなかった。
な、な、な、な…………!
返せ俺のファーストキス……………!!!!
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