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幼馴染みなワケなので④
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あれから茅は教室に戻ってこなかった。
帰る時間になっても帰ってこなくて、気付いたら鞄もなかった。
仕方なく俺は一人で帰った。
茅が休んだり何か他の用事がない限り小学校の頃から一緒に帰っていた仲だったので、こんなにスッキリしない帰り道は初めてで。
心に何か大きな穴が開いてしまったみたいだった。
ーーって、なんで俺がこんなに茅のことを考えなきゃいけないんだ!
家に帰り、自分の部屋にあるお気に入りの枕を思いっきり壁に叩き付ける。
なんで俺が!
元はと言えば、茅がいきなり変なことしてきたせいであって、俺がこんなに普通の態度を振る舞ってたのに!
全部茅のせいなのに…!
昨日のキスの事を思い出してまた顔が熱くなる。
あの(無駄に)綺麗な顔が俺の目の前に……。
俺はポケットからスマホをとり茅のメッセージトークを開く。
15行くらいズラーッと怒りの文面を書き、送信してやった。
ふん!これを読めば茅は俺に謝ってくるに違いない!
なんて思いながら枕を抱えてベッドへダイブした。
…いや、ないな。
今までだったら秒でついた既読が全然付かないし。
些細な事だったけど喧嘩したらすぐ仲直りしたし。
何より茅のあの顔が……
茅の顔が目に焼き付いて離れない。
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