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幼馴染みなワケなので⑤
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「なんか柚、やつれてね?」
「え?」
体育の授業中、準備体操をしていた俺にふと思い出したように高木が言った。
あれから、茅と話をしなくなって1週間くらいがたった。
何度も話しかけようとしたが、茅の話しかけるなオーラがすごくてあれから一言も話してない。
登下校もしてない。
俺たちは知り合ってからずっと一緒だったからこんなの初めてすぎて、夜もまともに寝れない。
目を閉じると茅のあの、鋭い顔つきが脳裏に焼き付いてはなれない。
茅のそんな顔を見たのが初めてで、向けられた視線にひどく傷ついた。
それにメッセージを送ったのにいつまで経っても既読も付かず、虚しくなる一方だ。
そんな俺が変だと思った高木は休めばと言ってくれたんだけど。
「いいよ、俺が休んだら高木がペア余っちゃうだろ。可哀想だから」
「あのなぁ…」
俺は心配してくれたのが素直に嬉しくてふふっと笑った。
それに今日はバレーの日だ。
身体の小さい俺でも球技は得意分野なので任せて欲しい。
「ほら、高木あっちで練習しようぜ」
「あっ柚そっちは危ない!」
「へ? うわっ」
後ろにボール入れがあったみたいで、ぶつかった弾みで中に入っているボールが全て床に転がってしまった。
その流れたボールに滑って盛大に転んだ。
ーーいって〜…
「柚!大丈夫か?!」
高木があまりにも心配そうな顔をするもんだから、手をあげて平気だと伝えようとしたが手が動かない。
「…あれ?」
その割にめちゃくちゃ痛いぞ。
まさか…
「…高木、手が動かない」
「おまっ!ばか!」
………ツイてなさすぎる。
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