アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
友だちに戻りませんか?②
-
喧嘩したのとは別に、久しぶりに茅が家に上がったのでなんだか少し緊張する。
いつも帰りに寄る?って聞くんだけど、茅は大抵断る。
高校上がってから初めて茅が家にいるかもしれない。
何だか不思議な関係だ。
「じゃあ、カバンここに置くから。後で自分で部屋に持っていって。俺もう帰るから」
「えっ、」
もう帰るの?
なんて一瞬、ほんのちょっとだけ寂しい顔をしてしまった。自分でもわかる。
茅も気付いたはずなのに、リビングから出ようとする。
それにもっと腹が立って、俺は茅を引き止める。
「話、あるんだけど。お前はないの?」
茅を帰さないように茅とドアの間に入る。
何でこんなに腹が立つんだ。
分かんない。
分かんないけど、今茅を帰したくない。
「…柚、そこどいて」
「嫌だ。」
ハァとため息をついて茅は少し距離を取る。
俺は負けじと逆に距離を近づく。
「…柚この間の話だけど」
「謝らないからな」
「ゆず….」
「絶対俺から謝らないからな」
目を逸らすな。
訴えかけるように茅を凝視する。
今話さないときっともう元に戻らない気がする。
それは、俺が嫌なんだ。
「柚座って話そう。手また痛むよ」
「嫌だ。そしたら茅帰るだろ!」
茅は困った顔で俺の腕を掴んだがそれを振り払い逆に手を掴む。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 32