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にこやか
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「会社は俺の姉が継ぐ予定です。俺は誰かの上に立つタイプじゃないですから…」
煌貴はにこやかに笑顔を浮かべながら謙遜をする。
「縁故で父の会社に入って姉の秘書でもさせてもらったらいいな、って密かに思っていますけど…」
これは秘密ですよ!なんて誠也に言いながら煌貴はずっと笑顔を絶さない。
「……。あの、すみません!…失礼なのは承知でお聞きしますが、お名前を教えて頂いてもいいですか…?」
「え…?俺の名前、知らないんだっけ…?」
誠也は気付いたように、ああ、と呟く。
「そりゃそうだよね。お顔見知りとはいえ、ただの店員と客の関係だったもんね。昔の知り合いなのに名前を知らないって変な感覚だね…」
誠也はクスリと笑う。
「俺の名前は一条誠也。一条って呼んで下さい」
誠也は笑顔のまま名字呼びを指定する。
煌貴の方が年下だし、下の名前で呼ばれるほど煌貴とも親しくもない。
それに煌貴が将来会社に入ってきたとしても、単なる上司と部下の関係に過ぎない。
だから、名字呼びを指定しても気付かないと誠也は思った。
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