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同じ空気
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「大和をトイレに連れ込もうとしたって、どういうことかな?煌貴くん!!」
誠也の低くなった声に、煌貴は震え上がりながら思い切り首を振って大声で必死に言い募る。
「違いますっ!!大学に行こうとして、高校の前を通ったら後輩に捕まってしまったんですっ!!今、部活動の自主連しているから見てほしい、って言われて手を引っ張られて学校の中に連れられてきたんですっ!!…でも俺はもう卒業しているから…。後輩から逃げていたら、トイレの前で大和くん達とばったり会っただけなんですっ!!嶺くんが変な勘違いしただけなんですっっ!!」
誠也はわざと大きくため息をつく。
「煌貴くん、どこの大学に通っているの?」
煌貴は顔を下に向けて、通っている大学の名前を小さな声で呟く。
「あれ?その大学とここの高校って反対方向だよね?」
煌貴は観念したように項垂れた。
「……すみません。今日は大和くんの入学式か…、大和くんの入学式を見たいな…、大和くんと同じ空気を吸いたいな…、と思ったら居ても立っても居られなくなって来てしまいました…」
煌貴はボソボソと続ける。
「高校の校門にボケッと立っていたのは、どうにかして入学式に潜入出来ないかな、と考えていました…。俺、ここの卒業生だし、仲良かった先生に声をかけて入学式を手伝うっていうことで入学式に潜入出来ないかな?って…。…色んな作戦を練っていたら後輩に見つかったんです。後輩から逃げていたのも、今の時間、後輩の部活動を見ていたら入学式に潜入出来ないからです…」
嘘をついてすみません、煌貴は泣きそうな顔をして誠也に謝る。
誠也は煌貴の言葉に再び大きくため息をつく。
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