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優しい
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誠也がふと煌貴の方を見ると、煌貴の双眸には薄っすらと涙を浮かべていた。
そういや、昔に煌貴と煌貴の母である優梨子と喋ったことが一度だけあるが、その時も煌貴は涙を隠すように大和に背を向けていた。
ああ、そうか…、と誠也は気付く。
大和の一人が怖いから、という言葉で、知らぬ間に涙を込みあげてしまったのだろう。
その涙を零さないように、煌貴が必死に奥歯を噛んでいる。
煌貴も優しい心の持ち主。
だけど、それが大和に伝わっていないだけ…。
大和が煌貴の優しさを知るには、いい機会かもしれない…。
その優しさを知った時に、どう出るかは大和次第だから。
(変な女に引っ掛かる方が大河も心配だろうしな…)
誠也は決意したように煌貴にお願いする。
「大和もこう言っているし、明日、この家で餃子を作ってもらっていいかな?」
「はい!!こちらこそお願いしますっっ!!」
煌貴は元気よく返事をした。
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