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嶺と昴
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「なんでお前がここにおるねんっ!!?」
嶺が指を差しながら大声を出す。
嶺の身体が小刻みに震えているのは怒りのせいだろう。
「まだ嶺と私で入学のお祝いをしてないでしょ?だから大和くんにお願いしたんですよ。サプライズがしたいって。ビックリしたでしょ?」
嶺とは反対に、昴は満面の笑顔だ。
「ああっっ?!!」
嶺は鋭い眼光で睨むが、昴は気にした様子もなく、嶺の行動を楽しんでいるようだった。
嶺はハッと何かに気付いたように大和に振り向く。
「もしかして大和、俺に気を遣って早く帰らそうとしてあいつを呼んだんかっ!?」
嶺の言う、あいつとは昴の隣にいる煌貴のこと。
煌貴は嬉しさのせいなのか、嶺と昴の事はまったく見えてないのか、嶺にこいつ呼ばわりされても怯むこともなく、大和におかえりなさい、と優しく微笑む。
そして大和もただいま、と返す。
まるで新婚夫婦みたいな甘い雰囲気が漂っているのは、間違いなく煌貴の少し甲高くて甘い声と大和を見つめる優しい瞳のせいだ。
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