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大和と誠也
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ドアを開いた瞬間に、大和が誠也に抱き着く。
「大和、ただいま!」
誠也は驚くことなく、普段と変わらないといった感じで大和を抱き締める。
「おかえり!」
「大和、いい子にしてた?」
「うん、うん」
「誠也さんがいなくて寂しかった?」
「…うん、うん。…ものすごく寂しかった…」
その言葉には感情が特に入っている。
「誠也さんも、ものすごく寂しかった!」
誠也は大和を今まで以上に強く抱きしめる。
「うふふ!誠也さん、早かったね!」
「ああ、今日は挨拶回りだけだから。本当はもう少し早く帰ってきて、大和におかえり!って言いたかったなー!」
「いつも僕がただいま、って言って、誠也さんがおかえりって言ってくれる。今日はいつもと反対…。僕、おかえり、言えた。僕、誠也さんの奥さんみたい。新婚さんみたい…。うふふ…」
「ええっっ!!?奥さん!?新婚さんっ!?」
煌貴が声を上げるが、二人には煌貴の声は聞こえていない。
なぜなら完全なる二人の世界だからだ。
「じゃあ、明日も大和がおかえり、って言ってくれる?」
「僕、おかえりって言う!」
「誠也さん、帰ってくるのがいつもより楽しみだな!」
「僕も!明日楽しみ!」
二人は顔を上げて、見つめ合って笑う。
あの俺もいるんですけど…!俺のこと完全に忘れていますよね…、と思いながら苦笑する。
「やっぱり勝てる気がしないな…」
と煌貴は呟くしかなかった。
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