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陽向『———だから、僕は最低な人間なんだよ。陽向なんて名前僕には合わない』
柳瀬に一通り僕の過去を話した。
その間、柳瀬は真剣に聞いてくれた。
一稀「陽向は陽向だよ。淳なんかじゃない」
どういう事…?
柳瀬の言葉の意味がわからない。
一稀「俺は、今の陽向しか知らない。けど、陽向が最低なやつだと思わない。だって陽向は嫌だとか言いながら最後はみんなの事を考えて行動して、傷つけるなんてことはしない」
…………そんなことない。
僕は柳瀬にまだ隠していることがあるんだ。
僕が赤目だと知ったら、柳瀬は僕のことを最低なやつだと思うだろう。
一稀「何もかも捨ててここまで来るなんて簡単じゃない。陽向の行動が正しいかったかは俺にはわかんねぇけど、今までよく頑張ったな」
本当に柳瀬はずるい。
過去を話したら絶対に、柳瀬は離れていくと思っていた。
だってどう考えても親を売るなんて正気じゃない。
その上、あの後母さんがどうなったかなんて興味もない僕はどこかおかしいんだ。
なのに……なんで柳瀬は“頑張ったな”なんて言葉をかけるんだ…。
そんなのっ…ずるい。
一稀「陽向、好きだ」
そんなに優しい言葉をかけないで…
そんなに優しく抱きしめないで…
…この頬に伝わる水の名前なんて…僕は知らない。
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