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過去があるから…
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一稀「陽向…?泣いてんの?」
陽向『…泣いてないし』
一稀「強がんなよ。泣きたい時に泣きゃいいんだよ。今は俺とお前しかいねぇから」
柳瀬の言葉に糸が切れたように涙が次々と溢れ出す。
泣くなんていつぶりだろうか。
暫く泣き、頭が少し冷静になってきた頃、ふと持った。
陽向『…柳瀬が優しすぎて、なんか気持ち悪い』
一稀「あ?どういう事だよ。俺はいつも優しいだろ」
陽向『…そうかな?僕の頭の中では、柳瀬は俺様で自己中だと認識している』
一稀「お前の頭ん中の俺は、どれだけひでぇやつなんだ!?そんなこと考える悪い頭はここか!!?嗚呼?」
陽向『痛い痛いっ!…あはははっ!』
柳瀬の手が僕の頭を押さえつけるように撫でてくる。
痛かったのに、何が面白かったのか僕は思いっきり笑った。
ひとしきり笑うと、今までの僕が陽向だとか淳だとかで悩んでいた自分が馬鹿らしくなった。
だって、あの過去があったから僕は陽向となり、正樹さんと出会えた。
そして、正樹さんのお陰で、チャラい奏汰に真面目な悠也、可愛いのに少し黒い夏智、意外に優しい拓斗、
あと……こんな僕のことを好きだというもの好きな柳瀬一稀に出会えたのだから。
陽向『柳瀬、僕もう一度父さんに会ってみるよ』
一稀「は?なんで…」
陽向『大丈夫。父さんの所へ戻る気なんて無いよ。だって“今”の自分の居場所はココだから』
大丈夫。僕は僕だ。
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