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1話
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ピピ ピピ ピピピピピピ バシッ
「あー……うるせぇ…」
けたたましいアラームの音で目が覚める。携帯を見ると朝の7時を示していた。
「くぁ…」
上半身を起こし、伸びをする。
有村浩介 16歳。今年から高校1年生になる。今日はその入学式。
「眠いなぁ…行かなくていいかなぁ…」
でも第1印象って大事だしなぁ。高校生活1日目から休むのもなぁ。
「…準備しよ。」
制服に着替え、朝ごはんを食べて、玄関に立つ。当然、「いってらっしゃい」の声は無い。
(しょうがないけどね。)
俺の両親は2年前に亡くなった。よくある交通事故ってやつだ。その時は大いに泣いたなぁ。うんうん。
その日からは叔父夫婦に助けてもらっている。彼らには子どもがおらず、俺を養子にするという案もあった。
けれど、俺はそれを拒否した。この家にいたかったからだ。3人の思い出が詰まっているこの家は俺にとって大事だから。
一戸建てで俺には広すぎるが、それももう慣れた。今は1人の方が落ち着くかも。
何はともあれ、今日は入学式。しんみりしている場合じゃないぞ。
「いってきます。」
さぁ、今日から新しい生活が待っている。
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