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17話
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一方、誠は
氷琥を家に送ったあと海沿いを歩く
誰もいない静かな海沿いをみながら
「…氷琥…
お前はまだ〝気づいちゃダメ〟だよ…?
記憶を蘇らせちゃダメ
お兄さんが許すまで
俺がお兄さんに許可をもらえるまで…
君は〝お姫様〟にはなっちゃダメ…
(何も知らないお姫様のままならいいんだけどね…)」
うっすらと笑いながら独り言をつづける
「この世界は残酷だねぇ…
運命の番がいても
もうそれがわかっていても
家系のせいで、家系の誰かのせいで
許されぬ恋、許されない結婚なんてね…」
その後ろである女の声が聞こえた
「この世界はそんな中
〝記憶を消されたお姫様〟と
〝お姫様の兄を殺した家系の王子様〟
が果たして結ばれるか…
とかなーんてドラマの中だけみたいな話みたいよね?」
誠は後ろを向く
先程の部活動紹介で剣道部にいた真弥だった
「あんたも俺と同じ〝守るひと〟?」
笑顔でいうがその瞳の中は裏腹に
ーもし違うのであればその存在消し去るぞー
という脅しの瞳もあった
真弥はそれを見て笑う
「そんなに警戒しないで?
ただ、私はね…
2人が結ばれてほしいの
正直、可哀想なのそんなの…
家系のせいで運命の相手を諦めろなんて…
辛いじゃない…
私の相手は家に〝殺された〟けどね…」
…誠はそれをきき
ーそういやある家系はΩが生まれてきて運命の番、
相手がわかると相応しくないものなら消し去るって噂…
あれは本当なのか、、、、ー
それを考えていると
真弥は不思議そうな顔で聞いてきた
「貴方はなぜ、あの子を守るの?〝お姫様〟を
あの子はαだと思い込んでいられるのはなぜ?
あの子はαに襲われないのはなぜ?
その答えは簡単
貴方と巫琥が必死で今まで隠してきたから
気づいたやつがいればほかの奴にバレる前に
記憶を消したり…闇の方へほうむった…
そうじゃない?
貴方と巫琥は〝お姫様〟の騎士様」
クスクス笑いながら誠を見る
その笑顔が気に食わなかったのか
誠は睨む静かに…冷静にうっすらと殺気を放ち
「…まぁ、確かにあってるかもね
けどこれだけは忠告ね
もし氷琥に何かしようってんなら
あんたら先輩方が相手だろうと
俺はなんとしても氷琥を守り抜く
この命が尽きようとな…」
誠の瞳が紅色に変化する
髪の色もうっすら変わっていく
それを見て目を見開く真弥
しかし…
「あら…貴方…〝ヴァンパイア〟なのね?
素敵!!!!あの子を守る騎士様は
片方は鴇家世界有数の財閥の次期当主様であり、
学園内の絶対王者の生徒会長!
もう片方は柊家の当主様で、
幼馴染の変化できるヴァンパイア!
ああ!素晴らしい!!!!
凄いわ!〝お姫様〟本当に羨ましいわね!」
感動したようだ
それを見て誠は元に戻る
「ま、そゆことでこの話は終わりな
……俺は忠告したからな
んじゃな真弥先輩」
何か真弥は言っていたがそれを無視し
帰っていった
それを見えなくなるまで見送り…
「…これは…これからの学園生活楽しみね♪
直樹にも知らせなきゃ…
最後の学園生活は〝退屈しない1年間〟なんて♡
素晴らしい物語の幕開けね…」
そういって
真弥は誠とは反対方向の道を歩いた
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