アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
23話
-
時は30分前に遡る
トイレにこもっていた有璃が出たのだ
その時にはもう誠はいなかった
部屋には氷琥がすやすやと眠っているだけ
ー……?誠…何かあったのか?ー
微かに窓があいており、そこから血の香りがわずかだけだがにおった
「…ま、、、まこと?
まさか!!!!さっきの奴らか?!
さっきの休むの言葉の意味はこれか…
だとしたら…誠は俺らには気付かないように1人でことを片付けようとしたのか?」
有璃は状況を理解する
ーしかし血の香りがするということは危険な状態の場合
それが敵だろうと俺らが見たのが生徒だ
誠は大切なものを守るためなら相手を殺しかねない…
俺が行くしかねぇー
「ん…ぅん…」
ベッドですやすや眠る氷琥
その姿に一瞬見惚れる有璃
その姿は女の子らしく、
少し長めの髪の毛、陽の光でキラキラ輝き、
長めのまつ毛、整った顔、
うっすらと桃色に染まる頬に柔らかそうな唇
まるでお姫様の様だった
「…氷琥…
俺は、…いや、俺らはお前の友達だ
そして…俺はお前を一目見た時から…
ー…………ー」
何か言ったが大きな風が吹き、
風の中に言葉はかき消された
有璃は氷琥の手の甲にキスを落とし
窓から外へ出た
「誠…どうか無事でいてくれ!!!!」
そういって森の中へ走っていった
「はぁ…はぁ…」
誠は毒に侵され息が荒々しくなる
その主を護るために
結界を張るのが精一杯になっている紅鬼
着物もズタボロになり、
足には大きなキズができていた
それを見て嘲笑う女と…男
「あは♡
私だけじゃ殺されていたわ~
いやぁ、貴方達も2人だし、私達も2人でやらなきゃ、
平等じゃないものね~笑」
傷だらけだが元気な女
「ふん、、口程にも無いな柊も、四鬼の1人も…
まぁ、俺にかかればそうなるか…」
赤い瞳の男が言う
「ちょっと俺じゃなくて俺らね?まったくー
ま、こいつももう少しで命尽きるだろうし~?
早く鴇のあの巫琥の弟消しましょ?」
それを聞いて誠が喋る
息を荒らげたまま
「…ど、、いう…だ…
な、んで氷琥…を…」
かすれた声でいうと
女が笑いながらいう
「え?何故かって?
そりゃ上からの命令よ
あと、私達もあの兄貴が憎くてね…
私たちの居場所を減らしたのはあいつだからね…!
それを復讐もかねてやるの!
あはは♡あの兄貴が大事にしてる弟を殺したらさぞ
気持ちいいでしょうね!!!!
あいつはどう泣くの?どう喚くの!?
ああ!待ち遠しい!!!!早く殺してやりたいわ!」
ー…くそ…狂ってやがる…!ー
誠はもはや目もろくに見えていない
それを気づいているのは紅鬼だけだ
ー…主…すまない……我も力がー
もう、諦めかけてた2人の前に
「誠!!!!」
有璃が駆けつけた
「?また味方?もう、、、何人いるのよ?
私たちにかかかれば生徒の1人や2人なんて…」
「誠たちから離れろぉぉぉぉお!!!
三日月の刃ァァァァァァァァ!!!!」
有璃の持っていた刀から三日月形の技がでた
その破壊力は辺りの木々や岩を破壊する雷だった
バチバチと音を立てる
その真ん中に結界を張って避けた敵の2人
男が前に立っていた
「へぇ、お前藤宮家のもんか…」
男がニヤニヤとしながら有璃の前へ出る
誠と、横にいる結界を張っているであろう鬼に目を向ける
ー…誠の状態がやばそうだ…
これはことを急がねぇと…ー
有璃は自分の出し切れる技を出す
一撃一撃を重く男にぶつける
だが、
「はっ!まだまだ子供だねぇ!!!!
俺らには全然効かねぇよ!
藤宮家のおぼっちゃま!!!!」
全然効いて無かった
ーこいつら…傷も小さなものならすぐ塞いじまう…!
これは…人間じゃねぇ!!!!ー
有璃は焦る
人間じゃない者との戦いに
しかし有璃は笑みをこぼす
ー…人間じゃないなら…殺してもいいよな…?
だから、、、〝本気出してもいいんだ〟ー
人間じゃないことを確信した有璃は
自分の腕に剣を刺した
「なにしてんだ?
…怖気付いて命乞いってか?笑笑」
男は笑いながら有璃に近づく
その時
ーバチィィ!!!!パチッバチッジジジー
黄色い電撃が有璃を包み込んだ
「…おいおい…聞いてねぇぞ?
藤宮家が〝契約者〟を隠してたなんて…」
男は有璃を掴んでいた腕が電撃のせいでボロボロに
皮膚などが傷ついているのがわかった
ー…これはすぐには治らねぇぞ…ー
男はそれでも笑う
「姿が変わっただけで何ですの!?
私たちの力を持てば…」
2人は並んで戦闘体型になる
有璃も準備が整ったようだ
ラフな格好のTシャツにジーンズだが
腰には3本の大きさの違う刀が揃っていた
髪の毛も金髪に変わっていた
瞳の色は変わらずの緋色だが…
どこが冷酷な色を混じらせていた
首元には契約した時のかわからないが刻印が付いていた
「…俺が誠を…氷琥を守る!!!!」
そういって剣に手を伸ばした
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 109