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32話
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氷琥達が試合場所に現れた瞬間歓声が起こった
「氷琥くーん!またあの神獣よんでー!!!
頑張って!!」
「誠ぉ!バスケの時の瞬発力見せてやれ!」
「有璃君~!頑張れー!!!」
「我らクラスの学年トップ!!!!」
みんな笑顔で応援している
負けたものも勝ったものも
それを見て誠がポツリと呟いた
「…俺らは幸せ者のままでいられるのかな…」
その一瞬、
誠は無表情になっていた
氷琥はそれを見逃さなかった
ー…ま、こと??ー
氷琥は何を言ったのか問おうとした
しかしこういう時の誠は絶対に聞いても口を割らないのだ
それを知っている氷琥は見ぬ振りをした
「誠、一試合目は任せていいかな?」
誠の服の袖をひっばった
誠はその仕草を見て笑顔で頷く
「任せな」
低い声で応える誠
相手側が登場した
「きゃー!言峰様ァ!!!!」
「今日も麗しいわぁ、、、」
「よ!進学Sクラスの一輪の高嶺の花!
言峰綾音様!(ことみねあやね)」
「言峰様のグループの
真白亜子様(ましろあこ)に壽愛里紗様(ことぶきありさ)!!」
こっちに負けないくらいの歓声の声の響きだった
「ご機嫌麗しゅう、皆様
私は言峰グループの次女、言峰綾音でございます
お相手は鴇グループの次男と藤宮家、柊家の御当主様と聞きましたが私にかかればそんなことはどうでもいいですわ!私たちの恐ろしさたんと味合わせて差し上げますわ!」
またもそのセリフの後に歓声が起きた
しかし3人の反応は
「…だれ?」
「…さあ?」
「髪染めにピアス…それに化粧までして…
風紀を乱す不届きものが…あんなのがSクラス?
進学クラスとおちたもんだな全く…」
知らない様子だった
その様子を見て綾音は
「な、貴方達私が誰だかご存知なくて!?
ありえないわ!亜子、あなたが一試合目に出ておやりなさい!そしてこてんぱんにしてちょうだい!」
「はい、綾音様!」
指定位置に亜子が立つ
その前に誠が目の前の自分側の指定位置に立っていた
互いに目を合わす
「貴方には負けてもらいますよ柊!」
殺意むき出しの亜子
「おーおー、そんな怖い顔してると
男は寄ってこないぜ?なんだっけ?我らの亜子様~♡か?www」
そんなのお構い無しに挑発する誠
「さあ、お互いの一試合目の人が決まりました!!!!
言峰グループ真白亜子様、鴇グループ柊誠様です
それでは指定位置につきましたね?
開始します!!バトルスタート!!!!」
そういった後試験監督は魔法を使い
幻想世界を創りあげた
2人がいた場所が変わる
そして変えられて戦いの場となった場所は湖の中だった
「…(ほう?水の中かぁ…
こりゃめんどくせえなあ~)」
「…ふん、この勝負私の勝ちね!」
亜子は自分の身体に膜を張り、
服が濡れないようにしていた
それに加え魔法で呼吸ができるようにしていた
「さて、今回のこの戦いのテーマは水中の中での
フラッグバトルです!
この水中のあちこちにあるフラッグを回収するのがメインです!計15本あるので多く取れたほうの勝ちです
自由に戦うのが本来の合宿バトルなのですが戦いがあまり好まない亜子様のために特別に今回のルールはこうなっております!
あともう一つルールが…
この水中に入った瞬間から“魔法”が使えません!
その前からやっておいたものは使えます!」
「…(なるほど…これは“仕組まれた”わけかぁ…)」
すこしコポコポ言わす誠
「空気が吸えないってとても苦しくって?
苦しくなれば手をあげればよろしくってよ?
死ぬなんて悲しいですものね♡あはは!
柊家もまだまだねー!まぁ早くしなきゃあなたも持たないはずだから始めましょう?
せめて1本は取りなさいよ?ふふ…ふふふふふ!」ら
そう言ってお互いに背を向けあってフラッグを探し始めた
その光景を見た観客は
「はぁ?あんなんせこいだろ!誠が不利じゃねぇか!」
「最低…進学クラスじゃなくてよかった…」
「卑怯者!!!!」
特進クラスのブーイングが大きくなる
それに対抗して進学クラスもブーイングを起こす
「はん!お前らみたいな特進クラスが負けるのが見れるならいいってもんよ!」
「柊なんて弱いものね!」
「これは戦いが苦手な亜子様専用の戦いなんだよ!
お前らみたいな特進クラスにはわかんねーんだろうが!」
進学と特進で関係が大きくヒビが入る
有璃はやれやれという顔をしながら
「氷琥、この試合どう見る?
誠はかなり不利だぞ?」
氷琥の表情は冷静だった
「誠は負けても仕方ない
だって、まだ誠は傷を完治出来てないから…
だから一試合目にしたの…
荷が重くならないように…」
氷琥は誠の腹部あたりを見る
特進クラスの数人はその話を聞いて誠の腹部を氷琥と見る
「あ、あいつ…本当じゃん!
氷琥の言う通りまだ傷が塞がってねぇ!
ヴァンパイアの時のか!?」
「しかもかなりの量の血よ!?」
「棄権しねぇのかよ…!?」
別に誠は息ができなくても多少の時間はいられる
しかし問題なのは傷だった
ヴァンパイアにやられた傷は同じヴァンパイアだとしても誠はそちらの血が薄いため治癒能力は無いのに等しかったのだ
血が湖の中に流れる
泳げば泳ぐほど
ー…これ、朔鵺様が治したのに…塞がってねぇってことは…なにか術が施されてんな…?
おいおい…こりゃまずいなぁ~…
棄権しようかなぁ…
多分氷琥はこれに気付いたからあんなこと言ったんだよな
うん…けどさ、少しはいい所見せてやりてぇな…
ヴァンパイアの簡単な奇襲でこんなことになっちまって…
ここでも負けるなんて…ー
「((ゆ る せ ね え よ な ?))」
口をゆっくり動かして
氷琥にも届くようにした
氷琥はその言葉をしっかり認識した
「誠!無理しちゃダメ!!
そんな…そんな…(その術はおかしいんだよ!)
何が起こるかわからないのに…!」
泣きそうな顔な氷琥
その横で有璃が氷琥の横によりそう
ー…誠…ー
亜子が1本目のフラッグを取り、2本目にいった時に
誠は気付く
亜子は迷いなく“フラッグのある位置へ”向かっている
つまり亜子はフラッグの位置を把握しているということ
あの試験監督は今まで見たことがないから
進学クラスとの繋がりがある奴
ー…なるほど…なら、あいつが向かった先にあるなら
その先がわかった後に自分が早く動けばいいのかー
誠は魔法を使わずに出来る自分の中に流れている
薄いヴァンパイアの血を活性化させた
そして…
亜子が3本目があるところへ向かい、
手に入れようとした時
「え?」
「((わ る い な))」
ニヤリと笑った誠が亜子の目の前に一瞬の間に現れ
1本目のフラッグを手に入れた
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