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34話
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朔鵺が氷琥の前へ現れた
「氷琥、その力はだめだ
お前も体力をかなり消耗する
試合がまだ終わっておらぬ以上
無駄な力は使うでない
こやつらはあとであやつがきついお言葉が貰えるからなぁ…それに期待せよ」
そう言うと氷琥は瞳を閉じ、
オーラを消し去った
「…朔鵺が言うなら…」
少ししょげている氷琥に朔鵺が薄ら笑いをしながら
顔を見つめた
「大丈夫だ
誠は昔より強くなっておる
体は危険だがあやつは勝つ
信じよ、氷琥
お主が信じなくて誰が誠を一番に信じやるのだ?」
その言葉を聞いて氷琥は頷く
「…そうだね…僕が信じなきゃ…!」
「ああ、それで良いのだ。
有璃、お主も氷琥の隣で見ておれ
あやつが昔より成長した姿を見るが良い」
「は、はい!」
氷琥の隣で誠の姿を見守る有璃
ー…どうか無事で帰ってこい!…誠ー
そう心の中で強く願う有璃だった
そんなことが外で起きてることさえ知らず
水中の中の2人はフラッグの取り合いをしていた
その時亜子は驚く
あの2本目からほぼ確実に誠は亜子よりも先に動き
フラッグを取ろうとしていた
今は亜子が5本誠が7本という
不利な状況な中であった
ーどういう事なの!?
魔法も使えないのに…この力って…
まさか初めから身体強化をしていた?
私のこの策略はバレていた?
フラッグをこれ以上取られるわけには…!ー
困惑する亜子
それを逆に利用した誠
その迷いの中でのフラッグへ向かっていた亜子に
追い打ちをかけた
ー…もう体が持たねぇ…
これで力を出し切るしか…!!!!ー
亜子は後ろが止まったことに気付く
ーまさか…息が持たなくなりましたの?ー
その一瞬に亜子は急ぐ
チャンスだと思い
フラッグの場所へ一直線へ向かう
しかしそれは間違いだった
誠は考えていたのだ次の一手に賭けるかを
ヴァンパイアとの戦いでの傷口から血が流れるのは
止められない
ずっと流れたままだった
ヴァンパイアの血を活性化した時に
少しは止血できたものの
それは気休め程度にしかなってはいなかった
それでもここまで持てたのだ
息も限界に近づいていた
誠はその残りの力を脚に、腕に、体全体に強く入れる
ここでケリをつけると決意したと同時に
力を出し切った
そして…
「(これがおれのぜんりょくだ!)」
亜子を追い越しその先にある
岩陰の後ろにあったフラッグを
手に入れた
「な、何ですって…!」
亜子は衝撃を受けた
「(これで…終わりだ…)」
誠がついに8本目のフラッグを勝ち取った
そこで笛がなる
「た、ただいまの勝負は…
と、鴇グループの柊誠の勝利!!!!」
そのセリフと同時に特進クラスが歓喜の声をあげた
試合が終わり水中は消え、初めの場所に戻った
誠がフラフラとしながらこちらへ進んできた
「誠!!!!」
「誠…だ、大丈夫?
今すぐお兄ちゃんを…!」
有璃が誠に肩を貸した
もう立つのがやっとくらいの状態だった
服が血で染まっていく
「す、すまねぇ…か、勝てたけど…
女相手に…ありゃ…ひでぇな…お、お兄さんに顔見せできねぇよ…氷琥…」
青ざめた顔だがそれでもいつも通りの笑顔で氷琥を見る
その姿を見て泣きそうになっている氷琥
「ま、誠は…
わ、わるくなぃ…涙
悪くないんだもん…ウッ…」
やはりポロポロ泣き始める氷琥
その氷琥の頭を後ろから撫でながら
「誠、お前はよくやったよ
俺がそれは保証してやる
お前は“自分の出来る最善策”をしたまでだ
それを卑怯なんて…言えねぇよなぁ?」
ニヤリと進学クラスを向いた巫琥
「み、巫琥生徒会長…!?
な、何故ここへ、?」
近くにいた先生方も驚く
「あ?そりゃぁ言ってたじゃん、
俺、氷琥が来るならここの生徒会長立候補するって
氷琥が出る行事はすべて見に行ける権利があるから
俺今でも生徒会長してるだけだし?
まぁ、今回のこの“不公平な試合”は見物だったぜ?
理事長にちょっくらご報告かなぁ~♪
なぁ、進学クラスのみなさんよォ?
氷琥の大事なだぁいじなダチをここまでやって、
卑怯者なんて呼び方なんて、すげーなぁ~
誠は俺にとっても大事な存在だしなぁ~
これ以上やらかすんならあとの2人は
俺が一気に相手してやんよ?
女だろうが容赦ねぇからな?
俺、卑怯な女嫌いだからさ?」
不敵な笑みで綾音達の前に向かう
「そ、それがどうしたのよ!
理事長もこの私達のやり方にはOKをしているわ!
なんなら私が貴方とやってもよろしくてよ
巫琥生徒会長!!!!」
反抗的な瞳を巫琥に向ける綾音
それを見て巫琥は
「ふーん?
まぁならいいけど、
じゃ、後は頑張ってやりなよ
俺はここで見学するだけにするからさ?」
近くの草むらに座り込む巫琥
「え?」
綾音は驚く
「え?って言われても理事長が許可してんなら
まぁ、何かあるんだろうけどいいよ、
とりあえず君が強いのか、
おれとやりあえる力があるのか
氷琥と後で対決してからね?
ま、2人とも氷琥と有璃君には到底敵わないんだろうけどね~?」
口の中でカラコロとチュッパ〇ャプスを転がしながら
言う巫琥
その姿を見て綾音は
「ふん、私の力見せてやりますわ…」
愛里紗が綾音の後ろから歩いてきた
「亜子をよくも…
こい、藤宮有璃
私がお前を倒してやる」
「ふん、言葉遣いが女らしくないな
服装は女らしいのにな…
残念な女だな?」
誠の挑発のようなセリフを吐き
お互い位置についた
「こ、今回のゲームは通常です!
では、第2試合目!!!!
言峰グループの壽愛里紗様、
鴇グループの藤宮有璃様です!
それでは開始致します
…バトルスタートです!」
第2試合目がスタートした
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