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42話
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マリーの姿を見て愛里沙はホッとした
「マリー!!!!やっぱり生きてたのね!!!!」
喜んでいると
マリーは急いで愛里沙の方へ来て、
「その話はあとよ
これはまずい状況…
いえ、貴女が死ぬ可能性もある!!!!
早くここから出ましょう!!!!」
頭から血を流しながらマリーは言った
その姿を見てやはり敵の犯人が誰なのかを確定した
「うぅ…ぅぅぅぅぅぅぅぅう
ガァァァァォァァァァア!!!!」
暗転した部屋からうめき声が上がる
「さぁ!!!!!」
マリーは愛里沙を窓の近くに押す
ご老体も慌てながらその場所へ向かう
「ここ、50~60mはあるよ、、、、マリー…」
不安になる愛里沙
その顔を見てマリーはいつものように、微笑む
「大丈夫愛里沙、私に体を預けなさい」
その言葉を聞き、
マリーには秘策があるのだろうと考えた
ゆっくりと頷く
「ご老体、貴方も宜しいですか?」
ご老体もその話を聞いて頷く
「マリー・テレシネェェェェェェェ!!!!
今、、、す、、グ…コヂラ……へゴィィィィ!!!!」
暗転した部屋から現れたものは
黒く腐臭がし、大きい牙には血が少しついていた
人の数倍の大きさをしていた
「ひっ…!」
愛里沙はその姿を見て恐怖を覚えた
その体をしっかり支えたマリー
「あれが本当の姿。
今までの贄を捕食して、生きながらえた
吸血鬼の末路よ…
アレの血を受けたら死ぬか化け物になる!!!!
だから避けて!!!!」
そういった瞬間化け物はマリー目がけて突進する
「ぐっ…!!!!」
「マリー!!!!」
マリーは愛里沙達を守るため
そこから動けなく一身にそれを受けた
うっすら咳き込んで血を吐いていた
「ナゼ…ナカ、、、マニ、ナラナイ!!!!
オマエナハ、、、強力、な吸血…鬼ニナレルノキ…
ナゼダ…!!!!」
化け物が喋る
それを聞いて
マリーはいつも出さないような大きな声を上げる
「貴方には分からない、、、、!
友のいる幸せを…
信じられる者がいることの幸せを…!!!!
吸血鬼になって忘れた化け物の貴方には…
わかるわけが無い!!!!」
そう言ってマリーは銀の剣を心臓のところへ突き刺す
「ググア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」
「愛里沙、血飛沫は…無さそうね」
血のついた手を手袋をしてマリーは対処する
後ろでうめき声がしたボタボタと血が流れている化け物
しかし息耐えない様だった
マリーはその姿を見てから
「さぁ、理事長さよなら
私もまた後でそちらへ行きますよ…」
そう言ってマリーは愛里沙に預けていたブレスレットから針を出し、それと隠し持っていた手榴弾を理事長に向けて投げた
それを合図に3人は窓から飛び降りた
「!!!!ひ、ひゃぁァァァァァ!!!!??
しぬ!!!!死ぬぅぅぅぅぅぅ!!!!??」
愛里沙はさけぶ
しかしマリーは笑う
「あはは!!!!大丈夫よ愛里沙!!!!
見てなさい!!!!これが吸血鬼の力を理解し
使えるようにした力よ!」
そう言うとマリーの背中から黒い翼が生えた
コウモリのような、しかし太陽の光にキラキラと光る美しい翼
「え!」
「愛里沙!!!!私こんなこともできるようになったのよ!!悪い方向じゃない使い方!!!!」
「ま、マリー!貴女凄い!!!!」
愛里沙はビックリしつつもキラキラする目でマリーを見る
「ご老体、貴方は今まで辛かったでしょう…
ですがやってきたことは罪です
これからゆっくり償っていきましょう…」
そう言うとご老体は涙を流しながら
「ありがとうございます…
ありがとうございます…」
爆発音がした時
太陽の光もその部屋へ差し込む
「ぐ、、、、、、
グァァァァァァァダ!!!!、」
その呻き声はどことなく悲しそうな声をしていた
無事に足が地面につくとマリーは翼を隠す
「…あの針には聖水と神々の聖なる力、銀の杭の欠片から作られた特別なもの…
気付いた時からずっと肌身離さず持っていた…
今日、役立って本当によかった…
愛里沙、最期に貴女を守れた…」
そう言い終わるとごフッと血を大量に吐き出した
「マリー!?」
両膝の足をついて咳き込む
愛里沙は近寄ろうとしたが片手で近寄るなとされた
「…どう…や、、ら…
私は死の方だったのね…あの…血は…」
愛里沙ははっと気づく
先程の化け物の血を受ければ…
マリーはそれを一人で受けたのだ
量は多かっただろう…
「…ま…マリー…ど、どうして…」
震えながらマリーの顔の目線に合わせると
「…私は…今日死ぬ気できた…の
それが少し…遅れた…それ、だ、、け…
愛里沙、、、貴女を死んでも守れたこと、、
それが今の私の、誇、、、りよ…」
笑顔でマリーは愛里沙を見た
ご老体はその姿を見て
「マリー様…消えるのですね…」
「ええ…」
うっすらとキラキラ光る塵がマリーの足元から散っていた
足の先から空へ行っていた
「マリー…行かないで…
お別れなんて嫌だよ…
私は…マリー生きてて嬉しかったのに…
こんな形で…
やだ、、、、やだよ、、、、、」
ポロポロ泣いた
マリーは
「だから…貴女は泣きすぎよ…
本当に…優しい…可愛い…私の大切な友…
一生貴女のそばに居るから…
見守ってあげるからね…?」
そう言ってマリーは愛里沙の頬に触れようとする瞬間に
消えていった
愛里沙は泣き叫んだ
「あ、…あ、、、ああああああああ!!!!
マリー!!!!マリー!!!!
うわぁぁぁぁ!!!!」
それを泣き止むまで、
優しくそばに寄り添って背中をさすったご老体であった
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