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60話
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巫琥は膝の上で寝る誠を魔法で浮かす
「…はぁぁぁ…」
ため息が長い
氷琥の戦いもなんとなくこうなることは分かっていた
だが、〝誠がこうなるのは想定外〟だった
巫琥は自分の右腕にある刻印を見つめた
「俺のこの(予知能力?)は…まだまだうまく使えてねぇのか…なぁ、パンドラ」
「そんな全能な予知能力が欲しいのなら
アポロンの巫女たちにいいなさいな
その子達なら私より強い予知能力があるはずよ?」
クスクスっと笑いながら金髪より色素が薄い、
紫色の瞳の少女が巫琥の横に立つ
紫色と白色がベースのドレスをふわりと揺らす
「別に、俺はそこまでの能力はいらないさ笑
パンドラだから俺はそばに置いてるんだしな」
そう言ってくしゃくしゃとパンドラの髪を撫でる
「わっ…!
もう…!私にこんなことできるのなんて貴方だけよ?
巫琥…パンドラの箱を持っているこの私を子供扱いするなんて…!」
むーっと頬を膨らましながらいうパンドラに
巫琥は
「ははっ笑
やっぱお前は可愛いな笑
って…さて、と、」
頭を掻きながら立ち上がる巫琥
自分の腕に誠を下ろした
「スー、、、スー、、、」
ゆっくりと寝息を立てて寝る誠
色白の肌にうっすらと頬が染まっており、
唇が微かに開いている
「…(可愛い…)」
ゴクリと唾を飲み込む
ふわふわとΩの香りが漂う中
ぐっと理性を保つ巫琥
誠のおでこに自分のおでこをあてながら
「はぁぁぁ…
なんで、、(お前まで…)Ωなんだよ…
俺は…Ωが憎いってのに…
近くには…氷琥だけで充分だっての…」
そうボソリと呟いた後、
巫琥は顔を上げ、自分の腕の腕にいる
愛おしい相手である誠に
ーチュッー
キスをした
「…好きなんだよ…誠…
お前が…Ωじゃない時から…!!!!!!!!!」
「…巫琥…」
パンドラはぎゅっとパンドラの箱を持つ
今言っても言い訳にしかならないであろうこの台詞を声を殺しながら言う巫琥
まだ何も知らない頃の自分がした過ちなど
ちっぽけなものだろうと思っていた
しかし…
それは自分の人生と
誠たちの人生を大きく歪ませてしまった
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