アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
64話
-
巫琥は翠鬼を担いだまま話す
「はぁ〜
なんでこんなバカ鬼が…
あれ…の頂点の長なんだよ…」
小さい声で最後らへんを濁らせた巫琥
それを聞いていた白鬼と橙鬼は
「あれ?巫琥さん、最後ちゃぁんと言わないんですか?(ニヤ)」
「巫琥ちゃーん?
そこまで言うならいいなよォ〜♪♪
翠鬼なら怒んないはずだからさ〜!」
くすくすと笑う二人が巫琥の頬をツンツンしてくる
巫琥はむすーっとしながら
「だって、こんなバカ鬼が!
なんで、、、長角鬼の長なわけ???
まだ、氷琥のとこにいる片鬼の黒鬼の方が
しっかりしてるよ????!!!!!
翠鬼見てみてよ!!黒鬼の歳上なくせに!!
どう見ても朝、昼、晩
寝てんじゃん??寝てるだけじゃんんんんんん!!!
何やってるのさ!!!!笑笑
もう笑えるくらい分からないけど??!!」
そう言うと聞いていたのか起き上がる翠鬼
「あ?
巫琥…そらゃないぜ?
俺ぁ意外と働いてんだからな…?
お前をあの“ 真偽の塔”で助けたのは誰だと思ってんだよ…」
ちょうど草原に来た巫琥はそこで翠鬼が降りると言った
それを聞いてよっと翠鬼を降ろしたら
翠鬼は歩き始めた
足にも付けている銀の飾りがシャランシャランと
音を鳴らす
「こけんなよー?翠鬼」
巫琥がそう言うと
「おや、巫琥さんは翠鬼の“コレ ”知りませんか?」
白鬼が首を傾げる
橙鬼も頷く
「巫琥ちゃんはまだ見てないんじゃないの〜?」
「え?なにを???」
巫琥がはてなを頭の上に並べていると
楽しくなってきたのかリズムまでのせてくる翠鬼
「〜♪」
子供みたいに笑う
くるくる回る翠鬼
「…へぇ…
綺麗なリズム刻みやがる…」
巫琥がぼそっとつぶやく
「全く、翠鬼は変わり者ですね」
子供扱いをする白鬼
橙鬼も
「まぁ、翠鬼はそこがまたいいんだし?
それに…ここからが本番だよね〜♡」
「ええ、翠鬼のコレはここからが本番ですよ」
「?」
巫琥だけ分からない
すると
「〜♪」
翠鬼が歌い始めた時から少しずつ
リスやウサギ、鹿、鳥たちがやってきた
踊るたびその周りに綺麗な花が咲き誇る
蝶達が翠鬼に近づく
小鳥達が肩に止まる
翠鬼は笑う
そして歌う
そして舞う
それをすれば必ず皆が目を奪われる
目が離せられなくなる
「ははっ!
やっぱ楽しぃなぁ!
ははははっ!!!」
シャランシャランとなる音
「俺は!
夜の星空がオーロラが好きなんだ!
いつまでも空にあればいいなぁ〜なんて我儘を
言ってみた〜♪」
翠鬼がいう言葉それに反応した“コレ ”
「え?」
あたりは暗くなり
真っ暗な空に綺麗な星が浮かび上がり…
そして
「ええええ???!!!!」
ここで見れるはずのない
オーロラも見える
「だが、夕方も好き〜
真っ赤な真っ赤な夕焼けに〜
影が伸びるそんな時〜
俺はまた踊り始めるだろう〜♪」
そう言うと元に戻る
翠鬼の言葉がその通りになる
巫琥は驚く
「こりゃ、驚いた…」
巫琥は今起きた出来事に驚きを隠せていなかった
白鬼は巫琥に言う
「ね?
“コレ ”凄くないですか?」
「巫琥ちゃんはこれがあるから長なんだよ?
あと、、、強さもね?♪♪」
ねーっとお互い顔を合わせながら言う鬼に
「ははっ♪
みどりのかがやく森の中〜♪」
翠鬼はまだ楽しそうに動物達に囲まれて歌う
それは一つのステージのようだった
これはまだ巫琥が体験したことない、
“ 持っていない力”だった
そんな力を目の当たりにして感動や驚きに対して
羨ましい、欲しい、使いたい
貪欲な思いがある
「…まだ、見たことのない力か…」
自分の掌を見ながらつぶやく巫琥
まだわからないその力
ー…俺はもう失敗なんてしたくねぇー
そう考えた時
ーキイィィィンー
刻印がいきなり熱くなり
そして
「うっ…!
ゴホッ…ゴホッガハッッッゴプッッッッ!!!!」
咳き込んだ時
血の塊も出てきた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
70 / 109