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66話(過去)
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翠鬼達は昔、親を人間に殺された鬼だった
橙鬼の親は儀式の贄として殺され
白鬼の親は水神様と戦い敗れたためそのまま
人間にはその場に置き去りにされ、食い殺された
翠鬼の親は…実験材料として使われ
生きたまま皮膚や骨、臓器、目、角などを切り、
えぐり取られたらしい
翠鬼がそこへ駆けつけた時には無残な姿だったらしい
そのあと三鬼は親がいない孤鬼として
皆に蔑まれた
三鬼は辛くても、ずっといっしょでいることを誓った
そんなある日
10数年後にその時はきた
翠鬼達は力にものを言わせ長などになり、
権力者となっていた
そこへ
「すみません
頼みがあります」
銀髪の蒼色の瞳を持つ少年が現れた
そこは鬼の世界
死んでからさまよう人間などが足を踏み入れる場所
しかしその少年はどこからどう見ても生身の人間
つまり生きているままここへ来ている
翠鬼は眉をひそめる
「貴様、どうやって入ってきた?
貴様は何者だ?」
少しの沈黙の後
「俺は鴇巫琥
どうやって入ってきたかは自分でも分からない
ただ、歪みのある場所に…
兄の刀で斬ったら入れた」
その言葉に真っ直ぐな瞳で返答する少年
嘘偽りはなさそうだ
そこへ白鬼と橙鬼がやってきた
「翠鬼、どうしたのです?
何やら空気が少し乱れていますが…
っと…
なぜ生きたままの人間がここへ
足を踏み入れているのですか?
汚らわしい…
翠鬼、話してはなりません
早く殺しましょう?」
白鬼が冷たい目でみていると
橙鬼は驚いた目で見る
「あれ…君は…巫琥ちゃん?」
橙鬼から意外な言葉が出てきた
「あん?橙鬼…知り合いか?」
橙鬼は頷く
「うん、そうだね
ね、巫琥ちゃん、僕のこと覚えてる?
橙鬼だよ?この前あった時、教えたよね?」
少年、巫琥の前にやってくる
「うん、覚えてるよ
とっても綺麗で優しい鬼さんの…
橙鬼さん…だよな?」
首を少し傾けて言う巫琥
それを聞いてパァァっと笑顔で喜ぶ橙鬼
「そうだよォ〜巫琥ちゃん♪
巫琥ちゃんはホント、ほかの人間達とは違うね〜♡
そんないい子にはギュッしてあげる!」
そう言って抱きつく橙鬼
それを見てポカンと口を開ける
「まさか…あの一番人間をけ嫌い…
人間を見れば皆殺しする…橙鬼が…人間に抱きつくなんて…」
白鬼が驚く
それに翠鬼も
「ああ、こりゃ…驚きだ…が…」
その言葉を聞いてブフっっと笑う白鬼と翠鬼
「おい…あいつwww
橙鬼を優しいって、いったな??wwwwww」
「言いましたともそして綺麗ともwwwww
橙鬼はさぞかし機嫌がいいでしょうねwww
あんなwww中身どす黒い塊で出来てるのにwww」
後ろでこっそりくすくす笑っていると
橙鬼が
「ねえ!この前、人間にとらわれたって言ったじゃん?
しかも、鬼でも壊せない鉄格子にさ
もうここで死ぬのかなーって思ってた
白衣を着た人間が沢山僕を囲んでさ
実験体にでもされるのかと思った
その時、僕が捕まってたビルを破壊して助けてくれたのが
この巫琥ちゃんと、あと…お兄ちゃんだっけ?
夜琥ちゃんだったんだ〜♪
いつかお礼するって言ったんだけど…
まさか自分から来ちゃうとは…
この子やっぱただものじゃないねぇ〜」
橙鬼がねー?っと巫琥の顔を見る
翠鬼はそれを聞いて首をかしげた
「あ、んじゃおかしいぞ?
なんで兄貴がいねーんだ?」
巫琥がピクっと動く
「確かに…これなら普通、お兄様も呼ぶべきでは…?」
白鬼もふむ?っと首をかしげていると
巫琥がふるふる震えていることに気が付く
橙鬼は巫琥の頭を撫でながら
「巫琥ちゃん、
もしかして…ここへ来た理由は…
なにか別の事なのかな?
僕らに教えてくれないかな?
ね、翠鬼、白鬼、いいでしょ?」
「…まぁ、橙鬼を助けてくれたんだ
なにか出来ることならしてやりてぇな…」
「確かに…鬼を助けてくれる人間ですからねぇ…」
そう言っていると
「…力が欲しい…」
力なくけど、芯の通った声で言う
翠鬼は立ち上がる
「あ?」
「だから、、、俺は!!!!
力が欲しい!!!!
“ 神々”をも殺せる力が!
皆を救える力が!!
誰にももう負けない力を!!!
大切な人を失わないために!!!!」
ゴオっと巫琥の体から蒼い雷がバチバチ音を鳴らす
片手に雷で出来た槍が出ていた
「ほお?
力を欲するのか餓鬼…
力を欲して何となる!!!!」
翠鬼が巫琥の方へ歩み寄る
巫琥はゴクリと唾を飲むこむ
「人間如きが…
私たちに力が欲しいと願うなんて…
とんだおばかさんだ」
白鬼がやれやれと首を振っていると
「俺は…あんたたちと契約したい!
力だけが欲しいんじゃない!
仲間も欲しいんだ!」
巫琥がそう言うと
翠鬼が足を止め、
「…は?
俺らが…お前みたいな餓鬼に???
契約????
はっ、、、ハハ!ハハハハハハハハハハ!!!
俺ら長や稀少鬼の鬼が
人間なんぞと契約してたまるか!!!!」
そう言って腰につけていた刀に手をやる
巫琥も雷の槍を二本に増やし
戦闘態勢に入る
「み、巫琥ちゃ…」
橙鬼が言おうとした瞬間
ーお前ら!!!!争いをやめぬか!!!!ー
ビリビリビリィィィッッッと身体になにか電撃みたいなのが走った
皆がその場所を見る
その走らせた刀を
すると
紫色の光が出てきた
「…そんなのどうでもいい
橙鬼、お前の刀を貸せ!!
お前の刀と俺の刀は相性バッチリだ!!」
翠鬼が手を伸ばす
「ちょっっっ???!!!
翠鬼、何考えてんのさ!
巫琥ちゃんはまだ子供なんだよ!!?
巫琥ちゃんも!!!?翠鬼には勝てないよ!
ムキにならないで!!?
巫琥ちゃんは僕を助けてくれた恩人なんだから!!」
橙鬼が叫ぶ
その時白鬼が
「おやあなたはまさか…?」
光に包まれながら現れた鬼は
紫色の髪に紫がかった角
「はぁ〜笑笑
巫琥、テメー本当に肝座ってやがるな!!
長角鬼の長の翠鬼に、希少鬼の橙鬼、
そして四鬼の長の白鬼かぁ〜
ここへ入って早々(力が欲しい!)って…
兄貴が見たら泣くぞー?」
そう言ってわしゃわしゃ巫琥の頭を撫でる
「うるさいしおり
お前も結局助けられなかったやつなくせに!」
パシッと冷たくいう巫琥
それを見ていた三鬼は
「な、な、な、、、、
なんで……
国宝鬼のあなたが……?」
「鬼最古の紫鬼の…
紫織(しおり)様が?
けれど封印されていたのでは…」
「み、巫琥ちゃん…本当に何者??」
巫琥はこちらを向くと
「こいつは俺の兄、夜琥が契約した鬼
そして…」
瞳を曇らせながら下を向く
それを見かねて紫鬼が
「まぁ、俺は
知っているやつも多いかもしれねぇが
紫鬼の紫織だ
俺はある人間に封印されちまって、
数十年間そのままだった
そんな数年前ほどに
封印されてた俺を助けてくれた奴、
夜琥と契約したんだがな…
その夜琥がつい数日前に
死んだ
いや、殺されたのさ
館の周りを炎に包まれ、
その中でな
いろんな箇所を刺しまくっていたらしい…
そんな場所を…
目撃したのは
ここにいる10歳になる巫琥だ
しかも…それをやったのは自分の親族の中の誰からしい
その引き金を引いちまったのが自分らしくてな
その復讐をするために
今こいつは力を欲しているんだとさ」
「「「!!」」」
この時の巫琥の表情を翠鬼は忘れていなかった
この世界に絶望しているような
そんな瞳をしていた巫琥を…
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