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74話
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何とか氷琥と有璃は誠には誤魔化すことが出来た
そして放課後をむかえた
「やっべ!もうすぐで大会だから急いで部活行かなきゃ!!!!行ってくるな!!」
んじゃな!と元気な声で教室をあとにした誠
有璃と氷琥は手を振った
「…んじゃ先に待ってるね?」
氷琥が首を少し傾けながら言う
首に付けている宝石が揺れた
「お、おう」
少しぎこちない言葉だったが表情はいつも通りだった
氷琥が屋上へ向かう
ー…大丈夫
有璃なら…僕が出したこの答えならー
屋上に来てぎゅっと胸を抑える
十分ほど経って有璃が来た
鞄をドアがある所より少しずれた場所に置く
「氷琥、
返事を…くれるんだな?」
優しい微笑みで氷琥の目の前に来た有璃
氷琥は少しうろたえながらも
ポツポツと話し始めた
「お、とこ…同士でもいいっていう有璃は
とても凄いと思う
勉強もできるし運動もできるし
部活もとっても弓道かっこいいし
こんな僕と話してくれて、優しくしてくれて
合宿の時も吸血鬼達と僕のために助けてくれて…
有璃のことは…
好きだよ」
その最後の言葉を聞き有璃は顔を明るくしたが
「…それには続きがあるんだろ?」
頭を撫でてきた
氷琥はポロポロ泣き始める
こんなに優しくしてくる有璃に悪いと思いながら
「ぼっ…くは…!
どうしても…あの…昔であった男の子が好きなんだ…
みんな好きだよっっっ!好きって意味知らなかった!
今まで恋愛なんて分からないし
難しいし!!
けどね…ちゃんと分かってるのはそれなんだ…
有璃ごめんね…
好きだよ?けどね…
僕はあの、黒髪の優しい男の子を好きでいるんだ
いや愛しているんだ
もうほぼ覚えてなかったのに
最近ずっと思い出しているんだ…
神社で遊んだ記憶
手を繋いだ記憶
歌った記憶
笑った記憶
魔法を使った記憶
そして…首に付けた痕…
温かくて辛くてなんだか分からないこの感情を…!
だから…」
「氷琥」
ビクッと氷琥の身体が驚く
「氷琥、いいんだ
氷琥には…そんなに大切に思える存在がいるんだろ?
名前も分からないけど
それってすごいよ
もう会ってもない人をそんなに想えるのは
俺はそれを羨ましいって思える
俺、今まで恋なんてしたことなかった
どうでもいい、別にいらないって思っててさ笑
そんな時氷琥に初めてその感情を抱いたんだ
色々悩んだけどそれでいいんだ
氷琥みたいな優しいやつの心を今も奪っているそいつを
俺は尊敬するよ
そんな奴いるなら俺は適わないな笑」
ははっと笑いながら抱きついてきた有璃
「ごめ、、んね…涙」
「いいんだよ
お前は…氷琥はそのままがいいんだから…
傷付くなよ?全く…優しいやつだな…」
そう言って氷琥は有璃の腕の中で泣いた
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