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79話
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電話があり氷琥は美術室へと向かった
ー今から30分後、
美術室に来てくれ
見せたいものがある
あと伝えたいこともだー
そう言われ気分があまり良くないまま、向かった
ー海璃先輩はなにを見せたいのかな…
あと伝えたいことなんて…ー
今、自分はどんな顔出会えばいいのだろう
有璃に告白されて、それを振ったあとだというのに
「失礼します」
30分後
氷琥が美術室のドアを開けた
開けると
「よう、氷琥
お前にはこれを見てもらいたかったんだ
ここに座って少し待っててくれ」
そう言って氷琥を椅子に座らせる
横の机には紅茶が置かれた
1口飲むと
体の芯から暖まるような感覚だった
「美味しい…」
「それは良かった…」
それを見て海璃は氷琥の目の前にある
白い布で隠れているものに手をかけ…
ーバッー
のけた
「…この絵を見た…お前の感想が欲しい」
「え?」
その布をのけるとそこには
海璃が描いたと思われる
水彩画の絵があった
別にそれだけならあまり驚かないかもしれない
しかし、
「なんで…これを…」
そう、自分が昔あの男の子との待ち合わせ場所に
使っていたであろう約束の地の社
もしこれを海璃が描いたのであれば
おかしい点があるのだ
自分はここまではっきりと描いていない
覚えていないから
それとなぜ、そこに桜の一本木があるのを知っているのか
自分はそこを桜で描いていない
最後に
「…な、な、、、、なんで…
海璃先輩が…こんなにも…!!!!
かけるんですか?!!!」
氷琥はまだ言っていない
彼が〝紺色の瞳だったこと〟を、
そしてうなじにある〝噛み跡の場所〟 を
巫琥意外知らないのだ
そう、巫琥とこれをら
〝噛んだ本人以外〟は…
海璃はすこし照れながら頬をかく
「お前には…まだ言わないでおこうって思ってた
だって、俺はあの頃から沢山変わったから
お前が思うような良い奴じゃなくなっている…
言わない方がいいと思ってた
お前の記憶から俺は忘れさられ、
俺の生きがいは1度失った
だが、巫琥が俺を救ってくれた
あいつは俺と同じ学校へ転校してきた
それから氷琥、お前の近況報告をしてくれていた
俺はそれを聞くだけで良かった
そう、今日までは…な…」
グイッと顔を近づけて来た
真っ赤な真紅色の瞳と
深い海の底の紺色の瞳に見られる
ドキッと氷琥はする
その片方の瞳の紺色に見覚えがある
「あ、、、な…たは…」
「…瞳も片目変わっちまったからな
わからなくなるのも無理もねぇし
何より記憶が封印されてるんだわかるわけが無い
が…この姿になればまだわかりやすいか?」
そう言って青い優しい光を放つ魔法陣の真ん中に立ち…
「…こ、これなら…分かってくれるの…か?」
おずおずとその光から漏れる声は
聞き間違えることのない声だった
「…うん…」
光の中から現れた姿に
ポロッと涙がこぼれる
見覚えがあるというレベルではない
確かにその姿で彼は
海璃は氷琥と会っていたのだ
身長が氷琥より小さくなり
少し長めの黒い髪、
そして少し明るい紺色の瞳
よく遊ぶ時に着ていた
自分が初めてプレゼントした
黒いパーカー
氷琥は鮮明に思い出し始める
その少年の顔を
「…あ、、、
あぁ、、、!!!!」
ポロポロ大粒の涙がこぼれる
そうだ、この人だ
氷琥は確信する
この人だ
この人が…僕の…
記憶が徐々に鮮明になる
全ての記憶が戻ろうとしていた
少しずつ少しずつ絡まった糸が解けるように
「…か、、海、、、く…」
昔呼んでいたその名前を
言おうとした瞬間
「はい、残念
ハッピーエンドにはさせないよ?」
パチンと指を鳴らす
氷琥の頭にいきなりノイズがかかる
その直後にズキンと頭が割れそうな痛みにかられた
ガシャンと紅茶のカップを落とす
ふらりと立ち上がる
「ひ、氷琥!!」
小さな姿で海璃は氷琥をささえる
「ははっ
小さくなっても氷琥くらいの子なら
支えられるかー
藤咲海璃…」
声のする方に顔を向ける
氷琥は頭をかかえながら見る
「…だ、、、れ…?」
ささえながら海璃が威嚇する
「誰だテメェ!
氷琥に何しやがった!!!!」
それを聞くと
綺麗な金髪を後ろで束ね、
左目に傷があり鶯色の瞳を持つ、
首元にチョーカーを付けている男は
「は?
海璃…お前、覚えてないわけ?
ふーん…まぁ、仕方ないか
あの時は顔を隠してたし。」
黒い威圧をかける男
氷琥は膝をつく
海璃も小さい頃の姿のせいか上手く力が出せずにいた
男はクスッと笑った
「そういや、自己紹介がまだだったね
僕は碌華真桜だよ
巫琥なら知ってるはずさ…
まぁ、誓約で喋れないけどね…
君たちにも誓約をさせてもらう…」
そう最後までいうまでに碌華の目の前に矢が現れた
「おっ…っと…
おや…これはこれは…珍しい組み合わせだね…
紫鬼」
「……海璃達に…何しようとしてんだ
この野郎!!!!」
「はっはっ!
巫琥に言われて海璃のところにいて正解だったな!
俺らは運がいい!
今回は…誰も殺させねぇぞ碌華ぁ…」
緑鬼と紫色の鬼が
海璃と氷琥の目の前に現れた
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