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80話
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紫鬼がゆらりと前へ行く
碌華はクスッと笑いながら
「あまり近づかない方が身のためですよ?
紫鬼…」
その言葉を聞くとキョトンとしながら
「………ふっ……はっはっはっはっはっはっ!!
まさかのこの俺が!!!!
人間にそのようなことを言われるとは
俺も流石になめられたものだ!」
頭をかかえて笑った
「ちょ、紫織様!
あんた笑ってないでちゃんと戦えよ!?
俺だって戦いたいけど海璃がこの状態で
あまり力出せないんだし!」
そう言って薄い防壁を海璃と氷琥の方にやり、
緑鬼は二人の前に座る
「へー、へー
緑鬼はしっかりしてるなー
白鬼みたいだな
…さて、それはさておき…だ」
紫織は刀を出す
黒い紫色が少し先にある刀
装飾はほぼなく鞘に少し骸が描かれているのみだった
それは禍々しくこの世の全ての闇をかかえたかのような
憎悪、悲しみ、哀しみ、憤怒、殺意、悪夢、怨念
それらがビリビリと身体に伝わってきた
「…紫鬼は奇妙な刀を使うと聞きましたが…
まさかこれが…
あの、〝ヤミタチマガコトダマノカタナ〟ですか?」
「ん?いや、これは1つ目の試練の刀だ
これはすべてを合わせて作った模造刀みたいなもんだな
他のはこれを個々に執念深く、その打ったものの気持ちを合わせた刀だ
ヤマタチマガコトダマノカタナは普通人間には見せられねぇほどの
やべぇやつだからなー」
ククッとにやける碌華
「まぁ、そんなものでしょうね
そういう刀は
ですが…」
碌華も刀を出してきた
それもそれで…
「!す、すげー気持ちわりぃ…」
海璃が口を抑える
毒の一種だと睨んだのであろう
氷琥の口もハンカチで抑えた
「ふぅん、気付いたんだ海璃は
そう、これは毒の一種さ 」
「へぇ、そんな刀があるのか…
俺の時代には無かったなぁ」
「関心すんな!紫織様!!!!」
話を聞きながら
氷琥は困惑していた
ー…何で、、、
こんなこ、と、、、に?ー
ズキズキする頭を抑えながら考える
ー僕は……ー
うっすらと霞む記憶の中に
似たような人物を見たことがあった
碌華……真桜…?
記憶を探る
ー…この人を…しって、、、い、る…
けど…記憶が……ー
その記憶の糸は分かったものの
それ以上踏み込めれなかった
いや、踏み込めない
何かが遮っている
そう、、
海璃との記憶のように
少しずつ思い出すかのような…
「うぅっっ!!!」
氷琥が呻き声をあげ始めた
海璃はそれにいち早く気付き、
やっと魔力が溜まったのか急いで
元の高校生の姿に戻った
「ひ、氷琥!
頑張れ!頑張ってくれ!こんなところで死ぬな!」
その時氷琥の耳裏に何かがあるのに気がつく
それはうっすらとひび割れをしたような魔法陣の形だった
「なんだこれ、、、、?
いや、まさかこれが氷琥が苦しむ原因の1つ?
だとしたら…!」
海璃は急いで呪文を唱え始めた
緑鬼も海璃がすることを察し
魔法陣を完成させる
「ふは!
無理だよ海璃…
君がどう足掻こうがこの碌華真桜が作った
オリジナルの魔法陣を壊すなんてことは不可能だ!
まぁ、奇跡が起きるかもしれないがね…」
魔法陣を完成させたものの
それは…
「え、、、?」
ボロボロと光り輝いていた緑鬼と海璃で完成させた
魔法陣は消え去っていた
「どういうことだよ!」
「くそ!なんでた!
海璃のは完璧な唱えで、俺の魔方陣もミスはねぇのに!!
っっっ!!!」
慌てるふたりを見ながら
紫鬼ははっと気付く
「そうか…人体錬成の一種なのか?」
それを聞いた瞬間拍手が聞こえた
「ご名答です
流石最古の鬼と呼ばれるだけのことはありますね
そう、その魔法陣は
人体錬成を主に他のものを施しております
私の血肉を使い、その誓約者の血肉を使い
出来たもの…
氷琥の場合は魔力が高い故に誰にも外から傷はつけれない
しかし中では私の血肉の魔法陣が蝕むという…
その蝕まれた力の部分は私の力の糧となる
最高なシチュエーションです!!」
くくっと笑う碌華
海璃はギリッと唇を噛む
ーくそ!何してんだよ!巫琥!!!!
お前の弟がひでぇことされてんのに…!
俺のことも救ってくれたくせに!
早く来いよ!早く!この…
この!!!!!!!!ー
「馬鹿ブラコン野郎!!!!
早く来いよ!!!!!!
みこおおおおおおおおおお!!!」
海璃が叫んだ
ーパリンッッッー
「え?」
「ヒーローってもんなはなあぁぁぁぁぁ!
おくれて美味しいところをとるやつなんだよ!!!!」
誠を姫さま抱っこしたまま窓ガラスを割ってやってきた
そう、三鬼を連れて
「巫琥の大事なもんに傷つけたやつはどこのどいつだァ…?」
「全く、巫琥さんの大切な人と知っての
行為でしょうかね?
それならもっと残酷な殺し方をしてあげましょう」
「巫琥ちゃんを困らすやつは全員…
必ず殺してあげるー♪!」
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