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89話
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時は昔に溯る
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天照
別に昔は
私を必要としなくても良かった
私のこの、力さえ必要とされているなら
私は別にどうでもよかった
なのに、、、、
「人は何故、こんなにも簡単に神を見捨てられるの…?
神は人を簡単に見捨てることなど…出来やしないと
言うのに…」
ポロポロ社で泣く少女
天照大御神がいた
涙が落ちた場所には草花達が元気よく成長していく
自分が身につけている羽衣からはあたたかい光が
放たれていた
「わ、、たし、、、
いらない神様なの?」
ポロポロこぼす言葉と涙
この言葉を何度言ったことだろう
いつもここで弱音を吐く
それが天照は日課となっていた
そんなある日
「うう、、、また…わたしをうらぎるぅぅう…!
なんでなのよォお…(´;ω;`)」
またいつものように泣いていると
「ぎゃあああ!
た、たすけ、、、くれ!!!」
「?!」
森の中で悲鳴が聞こえた
男の声だった
他にも何人もの声が入り交じる
恐怖で叫ぶ声ばかりだった
「、、、なぜ、、この森でそんな恐怖な声を…?
ここは社の森…静かに精霊、神々が休息を取れる場所だというのに…
まさか、、、神を怒らした?
それなら神である私が助け船を出すものよね!?
あ、あ、泣き止んで私!今は今まだ生きている命を救うのが先だわ!!」
そう言って急いで声のした場所へ向かった
ーーーーー
「はぁ…はぁ、、、あっ…ぐっっ、、、」
ズルズル引きずる右足
ぽたぽた血が滴るのを手で抑える右目
男は逃げていた
ある者から
いつものように無人の家に盗人していただけ
いつものように仲間と見られた人を殺しただけ
ただ、〝こんな化け物〟にあうなんて想定外だった
(こ、殺される…!
仲間のように…あっけなく!!!!
に、逃げなきゃ……
仲間のためにも…俺は生きなきゃ…)
その時、目の前から光が見えた
大きな社も見えてきた
「あ、!
あれが…精霊と神々が集う…」
希望が見えた
助かるかもしれないと
神々は人や獣達の言うことをここで聞くことがあるらしい
それは迷信だしかし、、、、
「お、俺は…た、助かる…!!」
急いでそこへ向かう
あと数歩たったそれだけで社へつく
しかし…
「ふふ、、、、馬鹿な人間ですね
逃げられるとでも思いましたか?
この白鬼から…」
ードスー
「うっ…(ゴポッ)」
口から血が吹き出した
立ち上がろうとも力が入らない
男は歯をガチガチ震わす
後ろを振り返ることが出来ない
振り返ったらどうなるか分かるから
「おや…すぐに後ろを向くと思いましたが…
なるほど…少しは頭が使えるそうですね?
ですが…」
ーキィィィンー
黒い輪が男の胴体に回った
その瞬間、
「がっ…!!!」
男はわけもわからず叫ぶ
胴体をギリギリと黒い輪が締めていく
臓器が押し潰されそうになっていた
「おや、
苦しいですか?
辛いですか?
悲しいのですか?
憎いのですか?
どんなことを思いその顔をなさっているのですか?
はぁ、、そういう苦痛の顔を見るのは…
僕は好きなんですよ…」
そう言って黒い輪をもうひとつ
首の方にも…締めた
「ひっ、、、あ、、、は、、!」
ボキンと鈍い音を響かせながら
男はついに息絶えた
涙を流し苦痛の顔を浮かべながら
「おや、、、、もう絶えましたか?
面白くありませんね…
まぁ、、、そろそろ人間は飽きましたねぇ、、、
獲物を変えてみましょうかね?」
そう言いながら白鬼は後ろを振り向き、歩いていった
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