アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
92話
-
ーなぜ……そんな顔するの?ー
天照は鬼の顔をのぞき込む
サラサラとした髪が顔を隠す
「綺麗な髪……」
そういって
触れようとした瞬間
「触れるな……
いっその事殺しなさい
敗北です……」
そう鬼は淡々と告げた
天照はビクッとしたものの
「……私は殺さない主義なの
あと……貴方は何か大切な人がいるんじゃないの?」
首をかしげながら言うと
少しピクっと眉を動かす鬼
ー図星ねー
「私は大切な人がいる人を無残に殺すことはしないわ
まあ、貴方がしていたことは許せない事ですが……
なにか事情があったのでしょう?
私に話してみるのも良いのよ!
ここはそういうことを頼む人もいるのだから!
相談しないとね!」
(๑• ̀д•́ )✧+°ドヤッとしながらいう
鬼はそれを見て口を少しぽかんと開けていたものの
「ふふ笑
ふは笑笑ふははははははは!!
こんな殺人鬼に……!!!!!!
そんな相談しろなど……!!!!!!
貴女みたいな神様初めてみましたよ!!!」
笑った
その顔に少しドキッとする天照
鬼の瞳に生気が宿りはじめた
「……天照大御神……
太陽の神だからもう少し
傲慢な方だと思いましたよ……
太陽が無ければ我々は生きてはいられないですからね……それを知っている貴女なら……
(もっと我儘な神だと……)」
「何よー!
私はね、何度も捨てられた神よ?
私がいなくても巫女様に頼めばいいとかいう人達が多くなっていた時代もあったから
まぁ、私は許せなかったけど、
人間は何かにすがりたいのよ……
身近な人ほど……ね」
少ししゅんとした顔で話すと
鬼は
「なるほど……
中々事情が複雑そうですね……
神とて簡単な人生とはいかないのですか…………
この殺人鬼も話くらい聞いて差し上げますよ
私の話聞いてくれる……お礼としてね」
それを聞いて
天照はぱあっと顔を輝かす
「ほ、本当に、?
よろしいの!?
嬉しいわ!ええ、
嬉しい!!!!!!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら喜ぶ天照
それを見てクスリと笑う鬼
明るい笑顔の頬に伝う涙はとても美しかった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
98 / 109