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94話
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白鬼にとって
自分にとって
人間を殺す行為に悩んだ時期もあった
自分と自分の仲間の2鬼の両親を人間に殺され、
どれだけ憎かったか
それを今度は自分がやっているという行為に
そう
その人間達にも子がいるのだから
そんな自分と同じ結末を辿らないようにしたくて
夜盗や盗人、盗賊たちを狙うことにした
しかし、
悩んで殺して
吐いて 殺して
切れて殺して
怒って殺して
叫んで殺して
殴って殺して
笑って殺して
哀れんで殺して
悔やんで殺していった
どんなに助けを読んでも
誰も来ない
誰かを見捨てて自分だけは生き残る
そう考えるのが多かった
私を見れば角を見れば
バケモノと叫び
誰でも構わず悲鳴をあげ
弱らせてしまえば実験台にし
強ければ泣いて膝まづいて命乞いを始め
くだらない
神様はなぜこのような仕打ちを私たちにしたのか
それを恨んだ
神様は暴君でこの宴を楽しんでいる
そう考えた
差別を作るのを同結末を迎えるのかを……
なんて身勝手な神様だろう
そんな神様ならいっその事消えればいい
そう思うことも多々あった
そう、天照に出会うまでは
「は、、、白鬼??
ななぜ、、そんな哀しい顔をするの??
わ、私何かしたしら、、、?
それとも、、、何か考え事?
私に話せられるのなら話してくださらない???
どうにか、あなたの力になりたいの……」
さらさらと太陽の光に照らされる
真っ直ぐな綺麗な髪は白鬼には
美しく見えた
「聞きますか?その理由を……」
すこし自嘲気味なものの
天照はそれに食いつき
「ええ!ぜひとも聞くわ!」
と言った
先程考えていた自分の言葉を話す
自分はどんな鬼なのか
どれだけ殺したか
どんなふうに考えて殺していたか
言い訳に聞こえるかもしれないが
ただ、この神様になら言ってもいいとおもった
すると
「なぁに、あなたは意外と残忍じゃないのね笑」
「え」
意外な言葉が発せられた
「なぁに、鳩が弾を食らったみたいな顔をなさって笑
あのね、残忍な鬼なら、子供も殺すでしょう?
女も、男も誰これ構わず
けど、今の話を聞けばそうでは無いじゃない!
あなたは自分が両親を殺されたのにも関わらず
結局その憎しみを子供にはさせまいと
盗人みたいな独り身を狙ったのでしょう??
それって、あなたは優しい鬼じゃない
殺していても、考えているじゃない
楽しくても結局悔やんで吐いてるじゃない
嫌悪感も抱いて、自分を責めてるじゃない
何をそんなに考えているの?
鬼の寿命は人間よりかなり長いわ!
もし、更生したいのであれば、
今からなおせばいいのよ!
そうよ!その手があるのよ!あなたには!
私がいくらでも付き合ってあげるわ!
天照大御神として、そして、、、、、」
そういってくるくる回りながら
笑顔で天照はこちらを向く
「一人の“友人”として……ね?」
それを聞いて白鬼は唖然する
神がそれを許していいのか
ましてや殺人鬼である自分を友人として扱っていいのか?
気になる点もあるものの
ただ、白鬼は……
「あなたは……とんだ能天気な神様だ、、、、。」
「な、、、!能天気ですって!!
せ、せっかく考えたのに!!!」
むうっと頬を膨らます天照
それを見ながら先程の言葉は思い出しながら……
ー……私にはもったいない神様だな……
このような神が私といつまでも
居てもいいのだろうか……?ー
なんて考えた
自分は殺人鬼
天照は太陽の神
そのようなことはあってはならぬ
と白鬼は察していた
だが……
ー……この天照とだけは……これからも、、、
話していたい……ー
そう強く思った
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