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3夜
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夜の闇も深くなってきた頃、続く宴は転々と話題を変え、まだまだ盛り上がる。
「えー! 私は満くんが好みかな! それなりに身長も高くて優しいところとか、何よりも美人で清純そうなところが最高」
それは何故か美乃にタイプを聞くという展開に。
思ってもみないところで満にスポットライトが当たった。
「お〜! 良かったな、満! 羨ましいなコノヤロウ! 」
「いたっ、いたいいたいっ、あはは」
グラスを片手に満の肩を叩く一也。
満は素直に嬉しかったりする。
「そう言えば満のそういう話は一度も聞いたことがないな」
実はそうなのだ。
満は、何故かそういった色恋沙汰とは全くの無縁だった。
容姿は悪いどころか、寧ろ美青年と騒がれてもおかしくない程の美形で、とても気が利くと来たら周りの女子達はまず黙っていない筈。
「そーいえばねーなっ! 」
「そうなんだよね、残念なことに……」
彼女が欲しいと思ったことなら星の数ほどあるのに。
「まあ、大方予想がつくけどな」
結構飲んでいるが、昌はザルなのかまた新しい缶を開けながら言う。
その言葉に一也もうんうんと大きく頷いた。
「えーなになにぃ?もしかしてぇ〜、イン……」
「母さんっ! 」
すかさず美乃の口を塞ぐ昌。
とんでもない下ネタを言おうとしていた美乃といえば、ケタケタと笑っている。
流石の満も苦笑いだ。
「うーん、満はなぁ〜」
「美人すぎる」
「伏せた目がエロい」
「プラス儚げ」
「近寄り難いオーラ」
交互に「満に彼女ができない理由」を上げていく二人。
満がそんな事ないと口を挟む隙もない。
何故か雅昭と美乃は納得と言ったように頷いていた。
空が白んできた頃、皆順々に酔い潰れてやっと三芳家は静まり返ったのだった。
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