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4夜
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「うー……頭痛てぇー」
「だね……」
「ふっ、まだまだだな。二人とも」
昼頃に目が覚めた三人は暫く休んだ後、四時頃から課題を進めていた。
涼しくとても快適なのだが、如何せん朝まで飲んでいたことで昌以外は見事に二日酔いだった。
「うー、ちょっとトイレに行ってくる」
一言昌に断って、満は席を立つ。
用を足して幾分か楽になった満が戻ろうとしたところに、台所に立つ昌の叔母、由美(ヨシミ)の姿があった。
どうやらスイカを切っているようだ。
そう言えば、昨晩由美は早々に自室に戻っていたらしく、姿を見なかった。
「あの、お手伝いしましょうか? 」
「ああ、昌のお友達の……」
「満です」
「満ちゃん、じゃあグラスを三つそこから出してくれるかしら」
「はい」
「昨晩は賑やかだったわねぇ」
「あ、煩くしてしまってすみません……」
「いいのよぉ。こんな田舎だから満ちゃんみたいな別嬪さんがお酒の相手してくれる事もなかなか無いからねぇ……良かったらまた相手してあげてちょうだいね」
ちゃん付けに少しむず痒さを覚えたが、物腰の柔らかい優しい由美に言われたと思うと悪い気はしなかった。
「はい、是非」
「ありがとう。それじゃあそっちを持って、昌の所へ行きましょうか」
どうやらスイカと冷えた麦茶は三人の為に用意してくれていたらしい。
麦茶の入ったグラスを乗せたお盆を持って、由美の後に続く。
「失礼しますよ、少し休憩したらいかが?」
「ああ、そうだな」
「うお! スイカ! 叔母さんありがとうございます頂きますっ! 」
襖を開けて中に入ると、一也は早速スイカにかぶりついた。
「なあ婆ちゃん、ここらの夏祭りってもう終わっちゃった? 」
一也が行ってみたいって煩くて、と昌はボヤいた。
「あら……残念だけどもうどこも終わってしまったわねぇ……」
「だってよ、残念だったな」
「えー!マジかぁ……」
すっかり二日酔いが治ったのか、一也は二個目のスイカを手に取る。
「なんかこう……山奥の神社とか行ってみたかった……」
ガッカリはするも一也のスイカを食べる手は止まらない。
満も一つ頂こうと一口スイカを食べた時、由美は何かを思い出したように口を開いた。
「山奥の神社といえば……懐かしいわねぇ」
「何かあったんすか? 」
すかさず一也が問う。
「あそこ、あまり遠くないあそこの山奥にね、神社があるのよ。何十年も前の話なんだけど、子供たちにとても人気の神社でね、夏はお祭りでとても賑わっていたわ」
「へぇ〜! 」
由美の話に、明らかに興味を示した一也。
一也の興味の示し方に、満も昌も察した。
「なぁ二人とも! 明日行ってみようぜ! 」
……ほらね。
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