アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5夜
-
翌日昼食を摂った後、一也の宣言通りその神社に向かっていた。
あの後の由美の話では、もう何十年も前に人が寄らなくなったことから今は手入れもされていないらしい。
廃神社という事だ。
「おっ、こんな所にコンビニがある! 」
十分ちょっと歩いていると、道の脇にボロいコンビニが建っていた。
昌に聞いてみれば、ここの人が自営業で開いているのだとか。
「このコンビニの少し先に山に入る道があった気がする」
「気がするって、昌行ったことないのか? 」
「無い。婆ちゃんも言ってたろ? もう何十年も前から人が訪れるような場所じゃないんだ。だから、場所を知っているだけで行こうとしたのは今日が初めてだ」
そう言い切った昌は、本当にそうだから言ったのだろうが、満は昌のその言い回しに少し気味悪さを感じた。
人が訪れない神社……その響きが何だか嫌だ。
そして、昌の言った通りコンビニの先を少し歩くと山道の入口を見つける。
「ここかっ! 」
我先にと一也が山道を進む。その後に満と昌が続いた。
「あまり始めから急ぐなよ。結構上の方にあるから……」
「……疲れた」
「言わんこっちゃない」
昌は呆れてため息を吐いた。
二人のその様子を見て、満は自然と笑みがこぼれる。
山道は鬱蒼としていて昼間だというのに薄暗く、手摺もない草を踏み潰して出来た獣道はとても不気味だったが、なんてこと無かった。
この二人がいてくれるだけで心強いし、楽しい気持ちになる。満には二人の存在はとても大きく、失いたくないものだった。大切な友達。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 24