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宵⑦
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「俺はてっきりソッチの気があるのかと」
「まだ続けるのかよ、違いますって…
俺だってこんなの本望じゃないし、本当だったら今頃、可愛い女子に囲まれているはずなのに」
廊下を歩きながら話を続ける。
とっとと逃げ出したいところだが、生憎行き先が同じらしい。
「あ、そ」
宮内先生は横目で俺のことをちらりと見ると、気だるそうにあくびをした。
黒くウェーブのかかった髪の毛は、筋の通った鼻先にかかっていて少し邪魔そうだ。
揺れる髪の毛の隙間からくっきりとした二重の瞳が見える。
―あ、意外と顔は良いんだな。
近くでまじまじと顔を見る機会が今までに無かったから気付かなかったのだろうか。
「何?俺のこと意識し始めちゃった?」
にやりと不敵に笑ってそう言う。
「んなわけねーし、自意識過剰。
つーか髭剃った方がいいと思いまーす。清潔感無いですよ」
自分の顔がかーっと赤くなるのを隠すように宮内先生に悪態をつく。
それを本気で受け取ったのか、彼は唸りながら顎を擦った。
「あ、次の授業俺だよな。教材運ぶの手伝えよ」
「えぇー…!?めんどくせぇ…」
とぼとぼと彼の背中を追う。
そしてこれをきっかけに、宮内先生と俺の、奇妙な交流が始まった。
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