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俊
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見つけた。
やっと見つけた。
入学式の日、僕の目を惹きつけて離さなかった。
栗色の、揺れる髪の毛が、
髪の毛と同じ、色素の薄い瞳が、
気怠そうに歩いているのに、どこか儚げな姿が、
心を射抜かれるとはこういうことを言うのだろうか。
教室移動の際に1年生のフロアをわざと通って、君を探す日々が続いた。
月島。
そう呼ばれる君はいつも友人に囲まれていて楽しそうだった。
普段の端正な面持ちとは打って変わって、笑う時は目尻を下げ、少し眉を寄せて、砕けた表情になることも知った。
昼休みに教室の横を通ると、いつも必ず君が見えたのに、最近は姿が見えないことが続いた。だから寂しくもあった。
でもまさか、今日、こんなところで会えるなんて。
月島宵。
絶対に僕のものにしてみせるよ。
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