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自覚⑤
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どれほど見つめ合ったのだろうか。
恐ろしく長い時間に感じた。
沈黙すると、心臓の音が聞こえそうで恥ずかしい。
何か話そうとした瞬間、彼の声に遮られてしまった。
「ちょっと…今のはさすがにダメだわ」
「?」
言っている意味が分からず首をかしげると、一度俺のことをちらりと見た後、彼は髪の毛を掻き乱して叫んだ。
「可愛すぎるし、エロすぎるんだって!お前の顔!」
「は、はぁ!?」
「…他の奴にもそんな顔見せたの?」
顔を伏せ、上目遣いのような形でそう尋ねてくる。
「え、いや分かんないけど…
でも…ミヤ先生のは…何か……頭がクラクラしたっていうか…ぼーっとして、自分が自分じゃないみたいな…」
「え、え、何それ、つまり、俺の想像以上のテクニックにぶっ飛んだってこと?」
さっきとは打って変わって、にやりと意地の悪い笑みを浮かべ、身を乗り出してそう言ってきた。
「~~~っ、調子乗らないでください!」
「図星かよ!可愛いなぁ」
「…………あ~っ!もう、俺、帰りますっ!さよならっ!!」
「え、あ、ちょっと」
俺を引き留める声を無視してカバンを取り、教室を早足で飛び出した。
追いかけてくるかな、なんて淡い期待を振り切るように。
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